第32話恵美と美咲の深夜の会話

深夜、恵美は、美咲と電話で話をしている。

恵美

「祐ちゃんとデートしたの?」

美咲

「うん、すごく楽しかった、祐さんはやさしいし、キチンとエスコートしてくれた」

恵美

「そうか・・・それはいいけどさ」

「祐ちゃん、何か変じゃなかった?」

美咲

「いや・・・最後までステキで・・・お別れする時も、ふんわりと笑顔で」

「でも、恵美、どうかしたの?」

恵美

「祐ちゃんに何度もメッセ送ったけど、既読も返信も無いの」

「スルーはしない人だから、どうしたのかな、って心配になって」

美咲も不安になった。

「そう言えば、お別れする時に、顔が少し青白かったような気がする」

恵美

「風邪かな・・・祐ちゃん、引きやすいの」

「薄着だった?昨日の夕方、寒かったから」

美咲

「薄着・・・と言えばそうかな・・・カーディガンだった」

恵美

「心配だなあ・・・祐ちゃん、寝込むと長い」

美咲

「看病に行っていいかな」

恵美は否定した。

「それは・・・やめたほうがいい」

「もう少し親しくなってからにして」

美咲は不満。

「行きたいもの・・・行くかな」

恵美

「だめ、それ、祐ちゃんは無理して起きて、美咲に対応する」

「それで、また寝込む」

美咲

「大丈夫かなあ・・・祐さん」

恵美

「私なら、いいかな、従妹だし」

美咲は、また文句を言う。

「それ・・・ずるくない?」

「私が邪魔ってこと?」

恵美は困った。

「そうでないけど・・・」

「とりあえず、祐ちゃんと連絡がついてからね」


恵美と美咲の会話は、結局、堂々巡りを続けている。

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