第14話 「母性を感じさせる特別な女友達」を持つ男
このエッセイは、私が投稿している小説に関するものです。
投稿している小説の正式なタイトルは「京都市左京区下鴨女子寮へようこそ! 親が毒でも彼氏がクソでも仲間がいれば大丈夫!」です。
以下「(略)下鴨女子寮へようこそ!」としますね。
小説のURLはこちらです→https://kakuyomu.jp/works/16816927860159349467
第14話の冒頭、自分の不用品を送りつけてくる場面、毒親あるあるエピソードかと思います。
ネットの某掲示板の既婚女性板に毒親について語るスレッドがあり、以前からたまに覗きます。
同じようなエピソードを他の毒親もやらかしているようで、私だけじゃなかったんだなあ……と思ったものです。
この拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ!」のこの場面で重要なのは、毒母がどうかというよりも、筧さんの「男だって自分で選ぶんだよ」というセリフです。
自己肯定感の低い美希は、男の人に「(そこそこの値段で)選んでもらう」という発想しかありません。
だけど、美希の方がちゃんと選ぶべきなのです。
少なくとも清水さんに執着しない方がいい……。
拙作、今回は清水という男性の嫌らしいところを書きました。
このキャラ、実在のモデルがいるんですよ、本当に。
私の部活の一学年先輩でした。
清水さん同様、私を「優しそうだから可愛い」と見初め、そして「告白」し、それなのに、ろくすっぽデートらしいデートもせず「別れよう」と言ってきました。
別れるも何もお付き合いもろくにしておらず、いまだに、私はこの人を私の元カレにカウントしていいのか迷うのですが……。
デートにも誘わなかった彼は、本当は別れ話すら私としたくはなかったようで、顔を合わせないまま自然消滅を狙っていたフシがあります。
ところが、部活が同じだったので、試合のエントリーとかの事務的な事情で、私と接点を持たないわけにはいかなかったんです。
そこで、ある日、一方的に手紙を送ってきました。
拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ!」では、美希と清水さんはたまたま学食で顔を合わせることになっていますが、手紙か対面かは現実と小説とで違います。
モデルとなった彼にも、同期にとても大人っぽい女友達がいました。
その女友達を「ああいうのを母性があるって言うんやなあ~」と憧憬の眼差しで見つめていたものです。
拙作の美希同様、私と「お付き合い」をしているはずの期間、3カ月くらい何のコンタクトもなかったのですが。
この間、私との関係について彼にも思うところがあったのだそうで、「信頼できる女友達に相談した」と手紙に書いてありました。
そして、「僕は面倒くさがりだから、君の相手は出来ないと思う」という理由でふられることになってしまいました(ってか、ろくすっぽつきあってもいませんでしたが)。
拙作で金田さんが怒っているように。
「私(美希)と会ってなくても、その信頼できる女友達とは相談をしていた」点が、何年経過してもむかっ腹が立つポイントです。
こういうタイプ、この男性以外にもちょくちょくいるんじゃないかと思います。
「高級な女」に尊敬と信頼を捧げる一方で、「手軽に扱える安い女」を別に用意して上手いこと立ち回ろうとする男性です。
例えば。
最近、イギリス国王になったチャールズ三世。
環境問題に一家言あることは尊敬しますが、ダイアナへの不実さはあんまりでしょう。
結婚する前からカミラ夫人を愛し、若くて世間知らずで扱いやすそうな若いダイアナを妻に迎える。
後年、ダイアナが「私たちの結婚生活は3人でした。多すぎましたね」と総括したとか。
あと。
昔、発言小町である書き込みが話題になっていました。
若い男性が「自分は男性で尊敬する女友達がいるのだが、婚約者が焼きもちを焼いて困る」と書いていたのです。
最初は「男女の友情を理解しない婚約者の心が狭い」と彼に味方するレスもあったのですが、当然、「友情と言いつつその女友達に下心があるのでは」「何もなくても婚約者が嫌がっているのなら接触は避けた方がいいのでは」というレスもありました。
しかしながら、その男性は、後者の意見に対して「自分は純粋に尊敬している」「その女友達は知的専門職でとてもハイスペックで魅力的なのだ」と反論していくのです。
もう、最初から婚約者を叩いて欲しい意図があるとしか思えない。
「尊敬できる女友達」を敬愛し、その女性との交流は高尚なものと位置づけ、女性のパートナーを要する俗っぽいニーズは別の女性で済ませようとする。
とうとう最後の方では、「その婚約者さんのために別れてあげてください」という書き込みが散見されました。
私もその婚約者さんに「逃げなはれ」と勧めるでしょう……。
もう一つ。
これは女友達じゃなくてリアル母親が出てきたケースですが。
私の友人に、一度大学を卒業してから社会人として働き、東京の大学に編入学した人がいます。
その人は一度目の大学生時代に学生結婚をしていました。
その旦那の方は司法試験に専念するため実家に戻り、彼女は上京していました。お互い、学びたいことがあるがゆえの、合意の上での別居婚でした。
ところが。ある日突然、彼の母親が彼女を訪れ「息子が離婚したいと言っている」と告げたのだそうです。
結局離婚しましたが、彼女が酒を片手に怒っていたのは「離婚自体はいいわよ。愛情が無くなったってなら別れてあげる。私が腹が立つのは『なんで自分で言いに来ないの』ってとこ!」。
私も同感です。ムカつくわ、それ。
男性にとって母性を感じさせる女性は特別なんでしょう。
だけど、恋人なり妻なりと相対するのに、いつまでも女友達(母親)の手を放さないのはちょっと……。
で。恋人や妻と向き合うべき場面でも、彼らが大事にするのは特別な女友達(母親)。
どっか歪んでるとしか思えません。
一人の人間として、一人の人間に深くかかわる局面というのは大人になると避けて通れません。
そこに自分と相手以外の、関係のない他人を「より重要だ」と位置付けて介在させることは、仁義にもとります。誠意がないと評されても仕方ないでしょう。
私の友人が言ったように、愛情が無くなった点についてはこちらが耐えるるべきことかもしれませんが。
「他の女友達に相談して決めた」という文言を私に伝えて、それで私が怒らずに済むと思っているならナメ過ぎです。
この男性、とことん私をナメていたようで、「部活で顔を合わせてもこれまでどおり円満に笑顔で過ごそう」などと書き送ってきましたが。
もちろん、思いっきり無視を決め込んでおりましたw
そして2,30年経過した今もそれで良かったと思います(逆に、相手の言いなりになってヘラヘラ笑ってたら後々自己嫌悪に陥っていたでしょう。「凪のお暇」の凪ですね)。
ただ、当時の私はやはり混乱しました。
毒親育ちで自己肯定感が低い私にとって、生まれて初めて「可愛い」と言ってくれたのはとても嬉しかったですから。
何が起こったのか冷静に考えられるようになるには時間がかかりました。
今なら、話しかけられて無視どころか、こっちからバケツで水をぶっかけてやりゃあ良かったとまで思っていますが、当時はそんな発想もなかったですね。
いや、こうして小説の中でぶっかけてやってスッキリしましたよ!
小説を書くって楽しいですねえ!あはははは!
↑
こんなオバちゃんの言うことはさておき。
拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ!」における美希はまだまだ若くて幼い女の子です。
自己肯定感の低い女子が「可愛い」と言われたその言葉を信じて舞い上がっていたのに、同じ男性に「喧嘩するほどの値打ちもない」と軽く捨てられてしまいます。
傷ついた彼女がこの痛手をどう乗り越えていくのか。
女子寮の中でどう慰められて、どう自分を位置付けていくようになるか。
これからの数話かけて書いていきますので、お読みいただければと思います。
話の中盤で苦い思いをする美希ですが。
最後にはハッピーエンドをご用意しておりますので、どうか最後までご愛読賜りますよう。
※2024年5月追記
時間ができたので「そーいやあの発言小町ってどんなトピだったっけ?」と検索してみたら。
コイツでしたw どーなったんでしょうねーwww
https://komachi.yomiuri.co.jp/topics/id/361733/all/
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