第13話 東京駅を建築した「辰野金吾」
このエッセイは、私が投稿している小説に関するものです。
投稿している小説の正式なタイトルは「京都市左京区下鴨女子寮へようこそ! 親が毒でも彼氏がクソでも仲間がいれば大丈夫!」です。
以下「(略)下鴨女子寮へようこそ!」としますね。
小説のURLはこちらです→https://kakuyomu.jp/works/16816927860159349467
建築や建築家に詳しくない方でも、東京駅と聞けば、あの赤煉瓦の建築がぱっと思い浮かぶことでしょう。
あれを設計したのが辰野金吾という建築家です。
この辰野金吾は日本の建築史を語るのに欠かせない人です。
日本の西洋建築史の第一世代です。
明治維新後、まず、お抱え外国人としてコンドルという人が日本に西洋建築をもたらします。
辰野金吾はそのお弟子さんです。
東京大学工学部の前身となる工部省工学寮の第一期生!
彼の作品は必ずしも全てではないにせよ、「赤煉瓦に白い石の帯」「ストライプ」であることが特徴です。
冒頭で述べたように、東京駅ですね。
この特徴を、俗に「辰野式」と呼ぶそうです。
京都にも辰野金吾の作品があります。
はっきり辰野式なのは、三条烏丸の「みずほ銀行京都中央支店」と、そこから三条通を東に進んだところにある「京都文化博物館(旧日本銀行京都支店)」です。
(「みずほ銀行京都中央支店」は一度取り壊されてレプリカが立てられているので、辰野金吾作品が「残っている」という言い方は正確ではありませんが……)。
拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ!」では、美希が「小さい東京駅」として、まず「みずほ銀行京都中央支店」を見つけます。
その建物を背にして東に直進したのにまた同じような「小さな東京駅」に出くわすのは、「京都文化博物館」の前です。
「京都文化博物館」「みずほ銀行京都中央支店」ともに辰野式建築なので同じ建物だと勘違いしたのです。
ちなみに、辰野金吾設計でも、いわゆる「辰野式」ではない作品もあります。
例えば、東京の日本銀行も辰野金吾設計です。
経済ニュースとかで時々空撮されているあの建物ですw
これには白っぽい建物で、「辰野式」ではありません。
辰野金吾を描いた小説に門井慶喜さんの「東京、はじまる」という作品があります。
こちらでは日銀の建設について紙幅が割かれています。
国の中央銀行の威厳ある建物を任されるくらい偉い建築家だったんですね。
京都にも白っぽい辰野金吾設計の建築があります。
同じ三条通の「日本生命京都三条ビル」です。
三条通に辰野建築が3つあることになりますね。
話を京都の「辰野式」の二つの建築に戻しますと。
「みずほ銀行京都中央支店」は、もとは「第一銀行」であり、渋沢栄一の創業した銀行です。辰野金吾と渋沢栄一と交友があり、この京都中央支店もその縁で設計したのではないかと書いている本を見かけた記憶があります。
「文化博物館」はもともと「日本銀行京都支店」です。今は京都府の「文化博物館」の別館となっており、無料で内部を見ることが出来ます。
かつての営業室がまるごと大きなホールとなっており、ゴージャスな天井にアンティークな窓口、凄く雰囲気のある建物ですよ~。
拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ!」では、今後、美希が女の子が好きそうな素敵な建物や雑貨を巡っていくことになります。
ただ……その前に清水さんの意味不明な行動が……。
清水さんにイラっとする読者様もおられるかもしれませんが、登場するのもあと少しです。
あと。
美希がいろいろ駆け引きめいたことを考えるのは、私の実体験です。
女性の方が男性に働きかけることが「はしたない」「ふしだら」と美希(私)が思っていたのは、毒母が吹き込んだ考えであるほか、社会風潮がそうだったからという面があるかと思います。
山岸凉子さんの傑作漫画「天人唐草」の世界ですね……。
その一方で、私が積極的に関わって「はしたない」「ふしだら」というリスクを冒さなくても、私は、「清水さん(のモデルの男性)は『私で我慢するだろう』」とも思っていたのです。何せ、女性に縁のなさそうな男性でしたし。
この考えは彼に失礼でしたね。
美希も(私も)何の瑕疵もない善人ではありません。
この点については、男性側女性側どっちもどっちな所はあったかと正直言って思います。
ですが。
次回のエピソードで描かれる清水さんには、きっとムカつきますよ~。
付き合ってる女性を、こんなふうに扱う男がいるのかって驚かれるかもしれませんw
これは明らかに向こうがおかしいです。ええ、20年以上たっても……いえ、大人になってあれこれ背景が見えてくるほどむかっ腹が立ちますねw
しばらく清水さんの話が続きますが。
所詮美希にとっての通過点です。
最後は爽やかなハッピーエンドです。
大体19話辺りから、美希が美希らしくのびのびと京都の街で女子大生らしい生活を謳歌し始めます。
どうか最後までご愛読賜りますよう。
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