第6話 某国立T大学のオンボロ女子寮

このエッセイは、私が投稿している小説に関するものです。

投稿している小説は、正式なタイトルを「私が投稿している小説「京都市左京区下鴨女子寮へようこそ! 親が毒でも彼氏がクソでも仲間がいれば大丈夫!」です。

長いので、以下「(略)下鴨女子寮へようこそ!」としますね。

小説は→https://kakuyomu.jp/works/16816927860159349467


第6話まで書いてきましたように、ヒロインは格安の女子寮に入って進学を果たします。

この女子寮。モデルは首都圏にある某国立大学にあった女子寮です。

(京都大学に女子寮はありますし、下鴨に民間の女子寮もありますが、どちらも拙作のモデルではありません)。


泣く子も黙る超名門大学ですが、私は日本一の難関入試をまともに受けて入学したわけではなく、一度4年制の大学を卒業すれば3年生に編入できる制度を利用しました(学士入学といいます)。


現在は廃寮となったその女子寮。

拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ!」で今回書いたように、「高度成長期に建てられた小学校が何かの廃墟」という感じでしたw

本当にオンボロでしたねw


そして寮生も大雑把な人が多かったようで、だだっ広い玄関に靴を脱ぎっぱなしの人がほとんどだたったかとw。

あ、寮の建物の規模については、リアルな女子寮の方が多くて100人近くいたんじゃなかったかな……。地下1階地上4階のビルに、もっと古い2階建ての木造の建物もついてましたし。


玄関わきに受付の小部屋があって、共有の電話機もそこにありました(昔懐かしいピンク電話です)。

私がいたのは携帯電話が普及しかけの頃で……。寮生への電話は主にこのピンク電話に掛かってきていました。

寮生が交代で受付室に入って、電話を受けたり、来客への対応などをしていたのです。


少し面白かった電話当番の思い出を一つ。


女子寮ということもあってあまり存在が大っぴらではなかったのですが。

それでも「女子寮だ~。ぐへへ~」と妙な興奮とともにイタズラ電話をかけてくる輩はいました。


夜に電話を取ると、荒い息とともに「へへへ、下着の色何色~」と聞いてくるようなヤツですね。

こういう電話はガチャンと受話器を置いて(本当に物理的に受話器というパーツがあったんですよ、当時の電話はw)、後は無視。館内放送で「イタズラ電話のため、電話の受付を休止します」とアナウンスしてしまいます。


私があるときイタズラ電話を取ると、「ハァハァ、ねえ……オッパイいくつ?」と聞かれました。

正直に事実を答えましたよ、「2個!」とw

人間にオッパイが4つも6つもあるわけないでしょーが。

(元ネタは当時はやっていた「OL500人委員会 おじさん改造講座」なんですけどねw)。


拙作同様、受付のある玄関から入って右手に階段があり、地下に下りるとお風呂と食堂がありました。


食堂はだだっ広い部屋に6人掛けくらいのテーブルとパイプ椅子がありました。カウンターにおかずが準備されていて、奥のテーブルに保温容器に入ったご飯とみそ汁があった記憶があります。

(なぜか入ってすぐのところに卓球台がありましたw)


朝食と夕食合わせても一日700円くらいで、事前に名簿に〇をつけて申し込んでいました。

小説と違うのは、土・日は食堂はやってなかったところですね。

各フロアに共用の台所スペースがあって、寮の食堂を利用せずに自炊したい人はそこで作ります。そして土・日に外に食べに行かない人もここで作ります。私もカレーやシチューを作ってましたw。


その国立大はとーっても規模の大きな総合大学でしたし、また外部からの学生の受け入れにも積極的でした。

私も学士入学で学部の3年生に編入しましたが、同じ寮には高専から工学部の3年生や、医療技術短期大学から医学部の看護科3年生に編入してきた人もいました。


専攻もそれぞれです。

文学部でイスラム学を専門にしている人もいましたよ~。

また、実験心理学専攻の人が、難しい統計学のテキストと食堂で格闘してらっしゃるのを見たこともあります。


臨床検査技師を務めてから医学部に研究に来られた方が当時36歳で、私が知っている中で最年長でした。夕食が一緒になった時、「実験が上手く行かない……」と愚痴る際、キャベツの千切りを遺伝子の構造に見立てて「これとこれを一度離して、そしてくっつけようとしてるんだけど……」と説明して下さいました。


私は残念ながらこの寮に入って半年後に父親のがんが分かり、看病のために地元にいることが多いうえに、親に大学院の進学を阻まれたために退寮せざるをえなかったのですが。

短かったとはいえ、経歴やライフスタイルも様々な寮生と共同生活を送れたのは、とってもとってもいい思い出です。

何十年も経った現在、こうやって小説にするほどにw


どうか個性豊かな寮生たちとのストーリ―最後までご愛読いただけましたら幸いです!


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