第2話 京都市左京区ってどんな場所?

このエッセイは、私が投稿している小説を補足説明しているものです。

投稿している小説の正式なタイトルは「京都市左京区下鴨女子寮へようこそ! 親が毒でも彼氏がクソでも仲間がいれば大丈夫!」です。


↓小説の画面はこちらです。

https://kakuyomu.jp/works/16816927860159349467


以下「(略)下鴨女子寮へようこそ!」としますね。


この小説では、ヒロインは京都大学をモデルとした「西都大学」の学生です。


「(略)下鴨女子寮へようこそ!」の第2話では、主人公が京大正門から西の事務棟に向かい、そして京大キャンパスからバスに乗って下鴨に向かいます。


京大も下鴨も、京都市左京区にあります。

その京都市の左京区は京都の中心部から鴨川を渡って東に広がる地域です。


観光名所としては銀閣寺、下鴨神社、平安神宮、南禅寺などが挙げられます。お越しになられた方も多いでしょう。


有名な話ですが……。

現代人が使っている地図では、京都市の中心の「右」に「左京区」、「左」に「右京区」が存在しています。

これは、「右京」「左京」と呼ぶ場合の右左が、北の中央の御所におられる帝が南に面した時に、帝にとっての右左どちらかにあたるかで名付けられているからです。


現代の地図で左京区を見ると、南北方面に広大だという印象を受けるかもしれません。

ただ、北の方は山間部で市街地という感じではありません(イケズな京都人なら「あんなとこ京都とちゃいます」と言いそうですw)。

南北を東大路が通っていますが、高野までくらいが一つの区切りで、ここから北の岩倉までが市街地だと言えるかと思います。

市バスの運賃も岩倉操車場で、均一運賃から距離に応じた運賃体系に変わりますしね。


左京区の中で、有名寺社を除いて最も存在感があるのが京都大学でしょう。

敷地も大きいですし、学生や関係者が左京区に数多く住んでいます。


私も家族の勤め先の関係で左京区に住んでいましたが。不動産屋さんに、この地域はファミリー向けの物件が少ないと言われました。

大学の施設がかなりの面積を占めるのでそもそも住宅が少ないうえ、マンションも学生向けのワンルームが多いのです。


なんとか物件を探し出して子育てをしていましたが、まあ、親御さんが大学の先生だというご家庭の多いこと。小学校のクラスの4分の1がそうでした。

ですから、夏休みの自由研究のレベルが異様に高かったですw 首都圏に近い所でいえば、筑波の学研都市が似ているかもしれません。


その京都大学のシンボルとなるのが「時計台」です。東京大学の安田講堂みたいな感じの建物ですね。


東大の場合、正門から安田講堂まで距離がありますが、京大はほとんど離れていません。門の内側がちょっと広場になっていて、その奥にすぐに時計台が聳えています。


その広場中央に生えている楠の巨木が京大のシンボルで、ニュースなどで京大関係者が会見などしている時、背景に楠マークが並んでいることが多いです。


時計台を正面に見上げながら正門を入ると、すぐ右手の横にモダンなカフェがあります。

大学生協の一つで「カンフォーラ」と言う名前です。

学外の人も気軽に入れる雰囲気ですから、この近辺に観光に来られたら利用してはいかかでしょう?

なにしろ、京都の観光地エリアの物価は高いですから……。

大学生協だとお手頃価格で助かりますw


その奥に歴史ありげな赤レンガ造りの建物があります。

私の書いている小説「(略)下鴨女子寮」でも、主人公が「退学手続き」をしにこの辺りをうろちょろします。

作中に登場する枝垂桜もありますよ!


大学の総合図書館はそこから北。時計台の西にあります。

東大の総合図書館に用事があって30年近く前に入ったことがありますが、あちらはすごくクラシックでゴージャスだったと記憶しています。

(石造りの階段に赤絨毯が敷いてあって、シャンデリアが下がっていたような……。なんか鹿鳴館ドレスを着て入ってみたい!って思いましたw)

京大の附属図書館は近代的な建物なので、残念ながら東大ほど雰囲気はありません。


あと、京大構内と周辺の左京区は本当に自転車が多いです。

拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ!」に書いているように、京都市街はバスがアテになりません。ダイヤなんてあってないようなもの。

京都の学生はみんな自転車で行動するものなんです。


とはいえ、雨の日などではバスを使わなければなりません(それか自主休講w)。

京大最寄りのバス停は「京大正門前」。ここから下鴨神社に向かうなら206号系統のバスです。


京都のバスは後ろ乗り前下りです。私の出身地神戸でも同じです。ですから、東京の「前から乗る」しかも「乗る前に料金を払う」というシステムは、私にとってはとても驚きでした!(お上りさんw)。


下鴨エリアは拙作でも書いたように豪邸が立ち並ぶエリアもあります。

本当に現代アートの美術館か何かと思う建物もあり、一度表札を見たら「塚本」とありました。高級下着のワコールの会長のお宅だったんですね(京都財界の大物でいらっしゃいました)。


白河紺子さんの「下鴨アンティーク」という作品がありますが、これも下鴨が高級住宅街であるというイメージを前提にしたものと言えるでしょう。

京都市内、特に下鴨にお住まいの旧華族はあまりりいらっしゃらないと思いますが、この浮世離れした華麗な設定がいいんですよね~。「下鴨」の持つブランド力を活かしたゴージャスな設定で日常を忘れられるのが楽しい作品です! 


一方、下鴨○○町と名前がつく下鴨エリアでも、必ずしも豪邸ばかりとは限りません。私自身が30年ほど前に京都で学生をやっていた時に下鴨の某町というところに下宿していましたが、わりと庶民的な感じでしたし、今もそうです。


豪邸も庶民の住宅もどちらもありますが、全体には落ち着いた住宅街です。

学生の下宿も多く、実を言えば民間の女子寮もあります。ただし、拙作のモデルではありません。


拙作がモデルにしているのは、京都とは別の地域にある大学寮です。私は一度京都で大学を卒業してから、首都圏の大学に学士入学をしました。その時に暮らしていた寮です。作中に登場する「下鴨女子寮」同様、ものっすごくオンボロな建物でしたw(そしてだいぶ前に廃寮になってしまいました)。


リアルに存在する下鴨にある女子寮は、私が京都の学生だった頃の知り合いが入っていましたが、当時はカトリックのご家庭のご息女が集うところで、わりとハイソな雰囲気のところのようでした。私の知り合いもお嬢様でしたしね。ええ、作中の「下鴨女子寮」とは関係ありませんともw


下鴨は左京区の中では西よりにあり、北区や上京区との区界に近いです。

京大生ならもう少し東の奥の高野や一乗寺、北白川に下宿する人が多いでしょう。

京大生が登場する小説として森見登美彦さんの作品は外せませんが、確か小説に登場する主人公は北白川仕伏町のあたりに住んでいたかと思います。


京都市左京区には、京大をはじめ、京都府立大・清華大学・京都工繊大学などがあります。

また、同志社大学や京都産業大学もそれぞれ上京区北区にありながらも左京区に近い場所にあります。


ですから左京区、特に下鴨エリアには色んな大学の学生が住んでいます。学生の街・京都の中でも、よりその色彩の濃いエリアであると言えるでしょう。


拙作では、下鴨という高級住宅地に、そんな周囲とはうんとかけ離れた雰囲気で佇むオンボロ女子寮が舞台です。

そこで学生生活を送る、女子学生たちの青春模様をぜひのぞいてやって下さいね。

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