第5話 悪魔の闇

あれからヒナと僕はとても仲良くなり、毎日一緒に遊んでいた。

「武隼くんは、神様って信じる?」

スイカを食べているときにヒナが言った。

「かみ、、、さま、、。」

「うん!よく、おとぎばなしとかに出てくる、あれ、ね?」

「・・・・僕はいると思う!」

だって、きっと、ヒナに出会えたのも、神様のおかげだと思うから。

神様が、僕にもう一度、チャンスをくれたんだ。生きるチャンスを。

「ヒナは?」僕はヒナに聞いた。

「わ、私!?う〜ん、、、、。」

ヒナは考え込むポーズをして唸った。・・・・ちょっとかわいい。

「わかった!いるね!しかも、今ここに神様がいるよ!!」

「え!?ほ、本当にいるの!?」「うん!」

僕は目をなるべく大きくしてあたりを探した。

いるはずがないと思って探していたのに、いたんだ。

目に見えるくらい目に見えるくらい眩い光を放つ、神様が、、、、。

そうか、わかった。

「ヒナが、神様、、、、?」





あれから1日たった。

ヒナが神様とわかって、三つの願いを叶えるというのを思い出した。

「ヒナ。あれ、使ってもいいかな?」

ヒナは一瞬きょとんとしたが、すぐにいいよと言った。

「なにを叶えたいの?」

「えと、その、・・・神様になりたい!」

僕は今の気持ちをヒナにぶつけた。

「ごめんね。いくら私が神様でも、その願いはちょっと、、、、。」

「なんで!?何でも叶える、って言ってたじゃん!

僕を神様にしてよ!そしたら、ヒナの願いを叶えられるようになるでしょ!?」

僕の言葉を聞いてヒナはハッとしたように僕を見た。

「そりゃ、僕は、もう死んでるのにもう一度現実にいかせて欲しいとか、神様になりたいだとかいろいろと無茶なこと言ってるのはわかってる。

でも、僕が神様になればヒナも、、、、ヒナの願いも叶えられるかもしれないじゃないか!

こんな僕を愛してくれてるヒナに何か、返したいんだよ、、、、。」

僕は泣き声になってヒナにいった。

ヒナはなんとも言えない顔で僕のことをじっと見つめていた。

「武隼くん、もうあまり時間がないから、いつか言おうと思ってたんだけど、

実は、・・・」

ヒナが喋っているとき、ヒナの後ろに黒い闇が出てきた。

「な、なに?」

僕はびっくりして思わず立ち上がってしまった。

「ヒナちゃ〜ん!お迎えに来たよ〜〜。」

黒い闇の中からは、存在してるのがありえないくらい美形の男の人が立っていた。

「ビエル!なんでここに!」

「ヒナが遅いから迎えに行けってマリープライデン様からの御指令だよん。

ヒナ〜、早く帰って僕とイチャイチャしようよ〜。」

「絶対やだ!マリー様にはもう少しかかるって伝えといて!」

「そんなの僕ちんが怒られちゃう!

ヒナ、愛しのビエルくんがマリー様に首にさせられてもいいのかい?」

ヒナとビエルという人は何かをずっと言い合っていた。

「ま、とにかくヒナ、この子誰?」

「今回の仕事だ。」

ヒナはイラついたように言った。

「ふ〜ん、ねえ、そこの君。今回は見逃すけど、次こそはヒナを魔界へ連れ返さないといけない。

そんときは、邪魔しないでね!じゃあね!」

そう言ってビエルはどこかに消えていった。

僕の背中は寒気が治らなかった。



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