第5話健康支払い

須藤茜は佐藤雪の腕を引っ張って仮病病院の外に出て行った。そして、須藤茜は佐藤雪に言った。

「雪ちゃん、仮病病院に入院するのは今度の入院で五回目になるの!あの看護士さんが言ってたよね。雪ちゃんこの次入院すると雪ちゃんが三十代になった時雪ちゃんは重い病気になってしまうかも?知れないんだよ。


雪ちゃん入院するの止めよう。


私は雪ちゃんにいつまでも元気でいてほしいの」


佐藤雪は自分を心配してくれる須藤茜の気持ちが

とても嬉しかった。


それでも佐藤雪は須藤茜に言った。


「茜ちゃん私、茜ちゃんと入院したいの小学校で

初めてできたお友だちが茜ちゃんだったんだ~。


私ね小学校一年生から虐められてたんだよ。


だから私は「仮病病院」に逃げ込んでたの。


小学校三年生になって茜ちゃんに出会って茜ちゃんが私の友達になってくれて嬉しかったんだ~。

だから私、雪ちゃんともっともっと仲良くなって

二人の思い出をつくりたいの~」


須藤茜は少し心配そうに佐藤雪の顔を覗き込みながら言った。


「でも~雪ちゃん、もし健康支払いの時、重い病気になったらどうするの?」楽観的な佐藤雪は笑いながら言った。


「今、こんなに元気なんだよ?私は自慢じゃないけど、病気にかかったことないんだよ。それなのに急にかかるなんて~」雪はそう言ったが、茜はそれでも雪の事が心配だった。


「雪ちゃん、もしかしたら?雪ちゃんのお母さんや私のお母さんも「仮病病院」の事何か?知ってるかも?知れないね。今からうちに来て聞いてみようよ。大人も子供の頃仮病病院を利用していたんじゃない?」


「そうだね~茜ちゃんのお母さんもうちのお母さんも三十八歳だから子供の頃利用していた可能性があるね」そう思っていると須藤茜のお母さんが走って須藤茜の側に来てこう言った。

佐藤雪は茜の母親の桃花に

「茜ちゃんのお母さんこんにちは」そう挨拶すると茜の母親の須藤桃花は佐藤雪に言った。


「ここにいたのね~探していたのよ。たぶん茜と一緒にいると思って寄り道しちゃ駄目でしょ二人とも、雪ちゃんのお母さんが大変なの!近くのスーパーで倒れたのよ。たまたま私が通りかかってね。

救急車を呼んだの。南総合病院よ!うちから車を出すからすぐ行きましょう」


「茜ちゃんのお母さんありがとうございます」


須藤茜と佐藤雪と茜の母親の桃花と一緒に茜の母親の桃花の車がある駐車場まで走った。


桃花は雪に尋ねた「そう言えば~雪ちゃんのお母

さんが救急車に乗る時、雪ちゃんのお母さん……

変な事言ってたわ。雪ごめんね。お母さんね

「仮病病院」に子供の頃何度も入院したの。


雪と楽しい時間を過ごしてたから忘れていたの~。


何度も何度も「仮病病院」に入院してた事を~。

そう雪に伝えてほしいって言ってたの~あと、もう一つ言ってたわお父さんも仮病病院に入院してたって?そんな病院聞いた事ないけど~雪ちゃん知ってるの?」


茜は雪の顔がみるみるうちに青くなっていくのを感じていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る