第91話 チョコレート

『La vie est le chocolat, c'est l'amer qui fait apprécier le

sucre(人生はチョコレートだ。苦みが甘みを引き立てる)』

               ――フランスの格言


 こんな格言を見つけた南山之寿。流石、お洒落な国フランス。言葉の苦味に酔いしれる。


『チョコレート戦争』

                ――著者:大石真


 小学生の頃、担任教諭から読むように勧められた児童文学。無実の罪に問われた子供たちが、自分たちを犯人扱いする大人たちに立ち向かい、復讐を果たすストーリー。ふと、この児童文学のことを思い出し、あらすじを検索。結果を見ても、何一つ思い出せない南山之寿。


 本日の対戦相手は、チョコレート。2月だからこの話題……というわけではない。バレンタインにソワソワする男子が増える時期。デパート、駅ビル。至る所で繰り広げられる、バレンタイン商戦の時期。テレビからは、『バレンタイン・キッス』が良く流れる時期。南山之寿が涙を流す時期。


 南山之寿のチョコレートロンダリング。無駄に高級なチョコレートを購入し、妻と姫に献上。お裾分けを頂く、若と南山之寿。一足早い、偽りのバレンタインデー。


『2月14日の黒い悪魔』

 

 バレンタインデー当日。板チョコを数枚ほど、湯煎で溶かす姫。溶け出したチョコレートを、ネリネリしながらニヤリと笑う姫。さしずめ、魔女。プレートに小いさく分取。作業終了後、ヘラを舐め回す姫。口の周りは真っ黒。手も真っ黒。ドアノブや壁を触らないでくれと切に願う南山之寿。無慈悲に南山之寿の願いを踏みにじる黒い悪魔


『チョコレートカロリー戦争』


 以前も述べているが、背徳感溢れるアイス。モナカを水平に切り、板チョコを挟んだ罪悪感の塊。カロリーを気にせず食べる幸せを、噛み締める南山之寿。留守番の中、時間制限と証拠隠滅を遂行する、静かな闘い。黒い悪魔の嗅覚に、瞬殺。


『青い悪魔』


 言わずもがな、チョコミント。陳列棚を青く染めようと暗躍する組織。チョコミントに市民権を求め、休む事は無い。今日もチョコミントアイスを片手に、シュプレヒコールをあげる南山之寿。バレンタイン商戦に、チョコミントコーナーが加わる事を切に願う。


『人生はチョコミントだ。癖が爽やかさを引き立てる』

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