第90話 新

 『故きを温ねて新しきを知る』


 過去の敗戦を分析し、南山之寿に足りない物は何かと分析。新しい道理を探し彷徨う、五里霧中の日々。彷徨った挙句の果て、元の場所に戻るのが常。


 本日は、新必殺技のお披露目会。『新』という言葉から連想できる言葉が数少ない南山之寿。安直に選んだ『新必殺技』の言葉。


 新しい物が必ずしも好きというわけではない南山之寿。長く愛用する一品も存在。特に革製品は、エイジングを堪能。若と姫が寝静まると、道具を取出し磨き出す休日の夜。


 休日の夜が来るたびに催促される南山之寿。オーブンレンジが故障。買い替えに行く催促。新しい機種の候補は下調べ済み。ただ、家電量販店に足を運ぶのが億劫。レンジ機能が活きているせいで、ズルズルと先延ばし。遂に痺れを切らせた妻に怒られ、買い替えに行く南山之寿。新しい一歩を踏み出すには、かなりのエネルギーが必要。


 本屋に並ぶ新刊。文庫本に漫画。読んだことが無い文庫本。読み進めると、ハードカバーで読んだ記憶が復活。図書館で借りた記憶。悔しいが、伏線を探し別の楽しみ方を模索。所有していない漫画と思い購入。極稀に、漫画の同じ巻が本棚に並ぶことも無きにしもあらず。


 『シン』が付く映画。見に行きたいと思うが、結果、見に行けずに上映が終了。若と姫を連れて行く条件のもと、見に行くことを許された南山之寿。姫が悲鳴をあげるのは確実。故に断念。近くて遠い、映画館。姫が悲鳴をあげず、見られる日を待ち望む。


 『新』が付く駅。日本各地に存在。新札幌、新横浜、新大阪、新神戸。南山之寿が、直ぐに思い付く駅。ただ、この『新』が付く駅は紛らわしい。出張に向かう南山之寿。最寄り駅をさっさと確認。結果、『新』を見落とし別の駅に到着。二度と来るものかと、降りてもいない『新』が付く駅に八つ当たり。

 

『新大阪を訪ねて大阪に降りる』


 このあと、タクシーに救われた。

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