第81話 観察眼
『予見するために観察する。予知するために予見する』
――オーギュスト・コント
『予見』は、根拠があり先に起きるだろう出来事のみを知る時に使う。『予測』は、根拠があり先の出来事とその後の展開を知る時に使う。『予知』は、根拠なしに先の出来事のみ知る時に使う。
Google先生に教わる南山之寿。冒頭の人物など知る由もない。調べ物をしていたら、偶然たどり着いた言葉。興味本位で意味を調べるも、何が何だかわからず、五里霧中の南山之寿。この展開は予測できていた。
今日は、闘いでの重要ポイントの一つ、観察眼。相手を観察し、分析。何ができて、できないのか。得意な技、苦手な技。見極める眼が必要。見当違いな結論を出して負けるのが南山之寿。南山之寿の負戦は、予見しやすい。
電車の中で、ついつい観察してしまうスニーカー。目の前の座席シートが、同じメーカーで埋まる瞬間を待ち望む南山之寿。特に意味は無い。誰にも理解不能な思考回路。
女性の髪型を観察し、違いを見つける眼力。この力が欲しい南山之寿。美容院に行った妻の変化に気が付かず、不機嫌な嵐に巻込まれるのが毎度の事。この力を会社で発揮しようものなら、『セクハラです!』の一言で返り討ちになりそうな南山之寿。思い過ごしかもしれないが。
とある休日。買物帰りの駐車場。駐車した場所を見失う南山之寿。しっかり目印を確認するべきであったと反省。何とか無事に発見。車に乗込む南山之寿。目の前に駐車していたワンボックスカー。所有者の一行がやって来る。祖父母と思わしき二人を含めた7人家族。運転手以外が、スライドドアから流れ込む。そして車体が静かに揺れる。
『サ○エさん……』
無性に見たくなった、日曜日の夕方。このあとの南山之寿の行動。予知するのは容易い。
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