第82話 寝相

『朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。これは何か』


 ライオンの身体、美しい人間の女性の顔と鷲の翼を持つ怪物。ギリシャ神話でもお馴染みのスフィンクス。旅人に問い掛け、解けなければ食べられてしまう神話。


『なぞなぞクイズ』


 若と姫の好きな本の一つ。ひたすら繰り返される一問一答。捕われた旅人の様に、逃げることができない南山之寿。間違えても、食べられることがないのが救い。たまに本気で分からない、なぞなぞがあるのだから驚く。大人ゆえの頭の堅さ……だと思い込む南山之寿。


 今日の対戦内容は、寝相。誰が美しい寝相かを競う大会。シュールな闘い。イビキと寝言が飛び交うのかもしれない。


 寝相が良いと信じている南山之寿。過去に文句を言われた事は一度。修学旅行で寝てたときのこと。寝ぼける南山之寿。寝た状態から、足を垂直に上げたのだろう。


『踵落とし』


 隣の友人の腹部に放っていた無意識の一撃。記憶の無い南山之寿。痛みを訴える友人。友人は眠りに入る前だと言うのだから、たぶん事実。謝るしかないが、寝ていたのだから仕方がない。


 寝相と深層心理には、関係があると言うのだから不思議。数種類のタイプがあるという寝相。興味がある方は、Google先生に聞いて欲しい。南山之寿の寝相。聞いたところで、いい気分では無いだろうから割愛。


 遊び疲れた若と姫。まだまだ起きて、遊びたいと駄々をこねる二人。明日は朝早いからと諭す南山之寿。渋々、布団に入る若と姫。


 寝静まり、しばらくしてから観察に行く南山之寿。膝をつき、上半身を屈伸させて寝ている若と姫。


『スフィンクススタイル』


 遊び盛りの子供に多く、『眠るのが嫌で早く起きて遊びたい』という心理。まさにと頷く南山之寿。だから、なぞなぞが好きなのか。違うだろ!とツッコミをいれる、冷静なもう一人の南山之寿。


『朝は青く冷たくなり、昼は黒くなるまで弾け、夜は潰れるまで赤くなる。これは何か』


 最後に、皆様にモヤモヤを贈答して幕を下ろす。

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