第57話 江戸川乱歩

 小論文は試験に付き物。小籠包は中華の定番。三段論法は最早どうでもいい。小籠包の弾ける液体に何度も火傷を負わされる南山之寿。それでも好きな一品。自らを痛めつけて食す南山之寿。新たなる扉が開きっばなしなわけでもない。


 中華まんにも目がない南山之寿。あんも良し。肉もよし。あの皮だけを食べたいと思うことも、しばしば。既に開発され、販売されていることに驚く南山之寿。まだ購入できていない。


 今日の対戦相手は、中華料理ではなく江戸川乱歩。勝てる見込みは皆無。ならば中華三千年の歴史との闘い。こちらも勝ち目無し。負けてはいるが、いっこうにかまわない。思い立ったが吉日。そうだ、中華街に行こう。南山之寿の旅が始まる。


 有名店も押さえておきたいが、路地裏の店も名店がひしめく。何を食すべきか攻めあぐねる南山之寿。炒飯もエビチリも、あんかけ焼きそばも捨てがたい。悩んでいる南山之寿に飛び込む中華まん。当然、無意識に購入。気がつけば、数種類完食。


 立ち寄る土産屋。月餅にゴマ団子をつまむ南山之寿。既に腹八分。目当ての店に着くも、繊維喪失。餃子と小籠包にビールが関の山。中華まんを一種類に絞るべきであったと反省する南山之寿。


 本屋で見かけた江戸川乱歩の本。怪人二十面相であったか。コナン・ドイルの怪盗ルパンの、一冊と酷似していると聞いたことがある。それを読み比べたいと思う南山之寿。ご存知の方がいないかと、話題にあげた。


 小籠包からの江戸川乱歩。いささか、乱暴だと思う南山之寿。こんな終わり方も乱暴だと思う。


 

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