第54話 適材適所

 ワールドカップでの歴史的な勝利。ドイツに勝利した日本。色々な歯車が噛み合い、勝利へと繋がる。采配もしかり、選手の選出もしかり。まさに適材適所。ちなみに興奮のあまり、眠れなかった南山之寿。本日の業務前半戦は機能していない。仕事をした記憶もうっすら。そんな一日があってもいいのかもしれない。


 野球も適材適所のスポーツ。選手の適正を見極め、適切に配置している。投手から野手の道へと歩き成功する選手。意外性も相まって、この手の話が好きな南山之寿。


 今日は適材適所を競う団体戦。武道での団体戦は、団体と言いながらも一対一。選手相手との相性が噛み合うと、大物食いを起こすことも。


 家の中にもある適材適所。スティック糊は文具置場にいるべき品。洗面所にあるのは危険。冬の乾燥に負け気味の南山之寿。口唇は乾燥で、真っ二つになるかと思うくらい痛い。


 リップクリームと、スティック糊は類似品。いっそのこと、兼用できる商品でも発売してくれないかと思うくらい。リップクリームを使う南山之寿は、キャラ的にアウト。一発レッドカード。口も何だか、糊で粘つく。そのまま口を閉じていろという声。耳が痛い。 


 冬の乾燥は、手にも忍び寄る。南山之寿の手は血まみれ。大袈裟だったかもしれない。それでも、指先が真っ二つになるかと思うくらい痛いのは事実。なかなか治らない。止血といえばワセリン。


 ワセリンと歯磨き粉は類似品。違うフォルムもあるかも知れないが。こちらは、二品とも洗面所に配置。暗闇で取り出そうものなら間違える。薬箱という適所を作るべきと反省する南山之寿。翌日には忘れている。反省だけ出来るのが、南山之寿。


 日本中が適所と思われるキャラ。もちろん、南山之寿ではない。


 スーパーで買い物中の南山之寿。目の前を通り過ぎるカート。運ばれている泣き叫ぶ幼児。急に泣き止み、笑い出す。何があったのか、その場所を通り理解する南山之寿。国民的ヒーローのアンパンの人形が飾られていた。カリスマ性にあやかりたい『南パンマン』。


 『南パンマン』は街では、泣く子も黙る存在。顔面に施される怪しいペイント。圧が凶器。服装は奇抜。狂気がポイント。一発レッドカード。不審者として連れ去られるのがオチ。


 笑えない状況を作り出す南山之寿。本日の後半戦もやはり機能していない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る