第47話 紹介
自己紹介が苦手な南山之寿。軽い笑いを取り、ビシっと決まる台詞を言いたいが、笑いも無ければ、インパクトもない。いっそのこと、相手の記憶に残らない存在になってみようかと悩む南山之寿。
『
アイドルを丸パクリしたような、可愛いキャラを演じる自己紹介。身の毛がよだつ言葉を思い浮かべた南山之寿。
『おっす! おら
もう、どうしようも無い南山之寿。
――やはり、自己紹介は苦手。
学生時代、バイトで自己紹介をした時に怒られた南山之寿。何かまずいことでも口にしたかと悩んだが、店長曰く、決まりのフレーズがあるという。
『南山君。「ニューフェイスの南山之寿です!」が挨拶だよ』
ここは、ファミレスのはずだ。ホストクラブではない。悩むまもなく、バイトは辞める道を選ぶ南山之寿。生まれて初めて感じる、挨拶への拒否反応。
今日は対決の紹介。歴戦のベストバウトは、Google先生に聞いて欲しい。 南山之寿より、格段に正確で情報量も豊富。様々な闘いを教えてくれるはず。
『一見さんお断り』
紹介と言えば、完全紹介制の料理屋。南山之寿の勝手なイメージ。未だ無縁。紹介されたとしても、『南山之寿お断り』という結末。あるのかもしれない。
怪我を負い、近くの総合病院に行く南山之寿。受付けに行くと、まさかの一言。
『一見さんお断り』
紹介状がないと受入れてくれない。しかも、南山之寿が訪ねた科は休診。痛みと、哀しさのダブルパンチ。個人病院を紹介される南山之寿。救われたような、救われていないような。
――痛みなのか、哀しさなのか、南山之寿の頬は濡れていた。
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