第42話 変化

『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず』


 方丈記の冒頭の一節。南山之寿の脳裏に浮かぶ、国語の時間に暗唱させられた記憶。今一度と思い、方丈記を調べる南山之寿。


『変わらない様にに見えても変化しないものなどなく、全ては常に変化していて、やがて滅んでいく』


 要約すると、こんな内容。今の南山之寿には少し響く言葉だが、当時の南山之寿には響かない。教科書に乗せられた肖像画や似顔絵に、悪戯書きを施す南山之寿。当然、成績なんぞ悪いまま。卒業まで、国語の評価は変化なし。


 今日は、対戦で使う変化球を紹介。ちなみに南山之寿は野球とは無縁。武道以外にスポーツは経験が無い。野球はパワプロが専門。


 大小様々な変化。近所のコンビニが居抜きで整骨院に変わっていたり、知らない道路が出来ていたり。南山之寿はついていけるが、カーナビがついてこない。


 カフェに行けば、スマホで注文してくださいと言われる時代。先端を行く店もあれば、その逆も。用紙に書いて渡すシステムを取り入れる近所の定食屋。通信障害が合っても平気なシステム。南山之寿は、紙派に一票。


 とある方から頂いたコメントを読む南山之寿。冒険するのも悪くないという心境の変化。普段ならやらない。思いつきもしない。でも、試したい気持ちになる南山之寿。


 カレーとビーフシチューの融合。


 カレールー 1/4

 ビーフシチュールー 1/4

 後は、カレーっぽい肉と野菜


 カレーを作る南山之寿。安心の味。安定感溢れる、いつものカレー。そこに、ビーフシチューを投入。色の違いは無い。変化しているのか、わからない。肉と野菜が、よどみに浮かんでいる。


 いざ、実食。


『???』


 もう一度、口に。


『???』


 良く言えば、お洒落カフェの欧風カレー。不味くは無いが、良く分からない味。四番打者を集めたチームが、不発に終わる感覚。


 形容できないまま、食事終了。皆様の心境に変化が起こることを祈る南山之寿。頭に『???』が浮かぶ経験を共有して欲しい。南山之寿は責任を負わないので、あしからず。


『煮るカレーの鍋は絶えずして、しかももとのカレーにあらず』


 

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