第3話 防犯対策

『南山之寿さんに心を盗まれてしまいました』


 老若男女問わず、一度は言われてみたいと感じて止まない南山之寿です。ただ、言われたら言われたで引いてしまいそうな気もします。


 先日、ショッピングモールでやっていた講演的なお話。今日のタッグパートナーは、防犯対策。


 そんなこと知っている。今更何を言うか。という罵詈雑言。大丈夫です。言わなくても、ヒシヒシと感じていますから。この話を、素人の南山之寿がするんです。しかも、又聞き。効能は皆無。ホラ話程度にお読みください。

 

 SNS。誰もが使う現在。ここに潜む罠。誰もが知ってはいるけれども、改めて聞くとありがたく感じてしまう。投稿のタイミングに気をつけろ、という教え。


『停電した!』『家事が起きた!』『事故!』『雹が!』『キレイな虹!』などなど声をあげる。普段の生活で公開されている写真と合わせて居住地域を探し出す。なんてこともあるとか。特定地域だけに起こった案件は情報の特定源になりうると聞き、あり得なくはないなと感じた。


 コンビニでアイスを買う。持ち帰っても溶けない範囲に住んでいる。まあ、コンビニの店員さんにはバレているが、気が付かれる要素の一つ。


 この講演、警察署の方ではない。防犯対策グッズの販売員。私の財布の紐は、スルりと取られる始末。気がついたら、無駄な買物をしていた。私の防犯意識は薄かった。財布の中身も薄かった。


 窓につける補助錠。ハンドルロックに、防犯ホイッスル。普段なら買わないのに、ついつい話こんでしまい、結果的に買わないという選択肢が消えていた。ただ、傍から見るとサクラ。どう見てもサクラ。こちらも半ば焼けになり、オーバーリアクションで品定め。そのおかげか、私以外に客はいなくなった。横に入た友人は、どこかに消えていた。


 因みに、南山之寿に心を盗まれない防犯対策は唯一つ。


『これ以上、読まない』




 


 

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