第19話 トモとの再会
わたしは、
日々は、大剣を
人間の
わたしは、夢の中で、勇者と呼ばれていた。
◇
勇者は目を
「また、
右手で
何か、夢を見ていた気がする。何度も何度も、同じ夢を見る気がする。なぜか、夢の内容は思い出せない。
泉の水面を
美少女だ、と自分でも思う。たまに
水面に両手を
水面の波紋が
勇者は、
白い顔の女である。
横を見る。白い女が横にいて、しゃがんで、泉の水面を
その女は、背が高い。体形のメリハリが強く、
「……あっ!」
勇者は思い出した。
それより早く、白い女が勇者に
白い女は、組みつく
「……えぇ?」
白い女の
だったはずなのだが、頬擦りしてくる。
「えっと、あの、状況が
勇者は
「え? また
勇者には、なぜか、白い女の言葉が分かった。音にすらなっていない、モンスターの
「まあ、いいですけど。その前に、
また
勝てる自信がある。ここは、白い女が
白い女が、しゃがんだまま、勇者をジッと見つめる。
「え? この
勇者は首を
以前の姿、が何か分からない。今と同じ
どう
なかった。赤い鎧を着ていなかった。着ていたと思ったのに、ビキニみたいな服だけだった。
勇者は首を
「これでいいですか? 以前の姿って、これですよね?」
白い女は、やっぱり嫌そうな表情をして、嫌がる子供のように、必死に首を左右に振る。
「えぇ……?」
勇者は
必死にイヤイヤと首を振っていた白い女が、
「あ。そういうのやめてもらっていいですか?」
勇者は嫌な予感がした。
『ウフフフフフフ』
白い女が、
「何だったのでしょうか……?」
勇者は困惑したまま、見送った。用があるならまた来るだろう、
◇
「戦士さーん! エルフさーん! お
僧侶が、
「おう! 僧侶も参加するのか。そりゃ心強いな」
戦士は、大きく手を振り返した。
戦士の
かつて勇者と呼ばれた少女には、三人の
戦士は青い
エルフは、エルフ特有の長く
僧侶は、村の教会でも見かけるような
「我が
人の
僧兵は、背の高いマッチョの戦士よりも、大男でマッチョである。
「こちらこそ、
戦士は
ここは、『常雨の森』に
討伐隊の
「それが、大変なんですよ、戦士さん!」
僧侶が、
僧兵が、ゴツい手で、僧侶の口を
「ふがふがふがふが!」
「他に聞かれたくない
僧兵は
「ああ、もちろんだ。ちょうど、
戦士は
◇
「ふがふがふがふが!」
僧兵に口を
「
僧兵が、声を
僧侶には内密の話も説明も無理だからな、と戦士もエルフも
「討伐隊は、常雨の森に入ってから三日目に、
しかし、
「オレは、ずっと勇者の足取りを追っていた。そして、勇者が貴族たちの
戦士は、自分で説明しながら、思わず
「その先は、どうにも
「んまぁっ?!
エルフが
「勇者は、見世物として、
話し
僧兵が
「
「ってわけで、オレとエルフで、この討伐隊に参加したのさ。出現時期と情報から、勇者と関係がある可能性が高いってな」
戦士は、近所の気さくなお兄さんの
「ふが!」
僧侶が、何かを発言しようとする。口を
「勇者さんは、ご無事なのでしょうか?!」
戦士は、エルフの方を見る。僧侶と僧兵も、
エルフが一つ
「
「それなら、良かったですぅー」
僧侶が、目に
「なるほど、分かりました。そういうことでしたら、この僧兵と、
「そいつは心強い。こちらこそ、よろしく
戦士は、僧兵と力強い
◇
その少女は、勇者と
金色の長い
今はもう、勇者はいない。かつて、その少女は、勇者と呼ばれていた。
/わたしは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます