第11話 魔法使いの弟子
ワタクシは、
他に、何の
◇
「
勇者は木の
机には、次の
エルフが、資料の一つを手に取る。
「っ?!」
勇者はビックリして体を
勇者には三人の
エルフは、エルフ特有の長く
「勇者。ワタクシ、別の要件がありますので、次の任務は欠席させていただきますわ」
エルフは勇者を見おろし、
「……えぇ? あ、はい。
勇者はエルフを見あげて、
「要件が
勇者に背を向け、エルフが拠点を出ていく。魔法杖と
「はーい。いってらっしゃい」
勇者は困惑しながら見送った。やっぱり、何が何だか分からなかった。エルフさんは
◇
エルフは、
何が怪しいかというと、森のところどころに、人間より大きな、
「ファイアボルト!」
エルフは火の
火の球が、牙の生えた大型の植物に命中する。
食人植物系統のモンスターだ。人間を
「
エルフは、
液体を
紫色で、ウツボカズラに
「
エルフは
「ファイアボルト!」
魔法の火の球が、ウツボカズラに似た大型植物に命中した。
「おーっほっほっほっほっ!
エルフは
この森に入った目的は、こんなザコ退治ではない。
「ゼェ……ゼェ……。ようやく、見つけましたわ」
エルフは、森の
今回は、
やむを
まずは、周囲を
青い空が見え、
家に近づく。人の
バンッ、と
「……いませんわね」
家の中は
エルフはレースのハンカチを口元に当てた。
警戒を
試験管の一つを
「……食人植物ですかしら?」
研究書で見た
一番奥の
書類を手に取る。
「ここで
エルフは
「こんな場所に
ボロ家の入り口から、女のハスキーな声が
エルフには、聞き
逆光で
「ご
エルフは、
「これはこれは、
ボロ机の間を通って、ボロ
元師匠は、背の高いエルフよりは背が低い。エルフだから、
エルフはエルフなので、エルフ
「そのお
エルフは元師匠の
「弟子も変わりないみたいだね」
元師匠は
エルフは
「大人しく連行されます気は、ございませんのよね?」
「そりゃまあ、ないけど、一応、
元師匠が、
「罪状は、王国の
「ああ、ちょっと高価な
「……ハルちゃん?」
エルフは首を
元師匠に
エルフは、
元師匠は、エルフ特有の長く
「じごくのごうかよ」
エルフは
「そんなに詠唱時間の長い魔法で、どうするつもりだい?」
元師匠が
「ストーンスピット!」
元師匠の正面に小石が出現し、エルフへと飛ぶ。
「ウインドブロック!」
エルフは小石の
「おっ?!
元師匠が、感心したように
エルフは、元師匠の巨乳がいちいち
長詠唱を
元師匠の
一定時間内で行使できる魔法の
その
「ストーンスピット!」
「ウインドブロック!」
小石が空を切り、土に刺さった。
「グラスバインド!」
エルフの両足に、地面から急に
元師匠は、植物属性と土属性の魔法を得意とする。
エルフは、火属性と風属性を得意とする。両属性ともに、植物属性には有利で、土属性には不利である。
「ファイアボルト!」
エルフは、元師匠を
「ソイルシールド!」
元師匠は、土の
元師匠ならば
しかし、何の
「ごきげんよう、元師匠! ヘルズインフェルノ!」
元師匠が、周囲の空間ごと、
エルフは絶対の
十秒ほど前まで元師匠が立っていた場所には、黒く焦げた土の
「来ると分かっていれば、対処は
崩れた土窯の中から、元師匠が無傷で
「
エルフは
エルフは
「まだまだ
元師匠の前に、エルフと同サイズの岩が出現した。
「タッ、タッ、タッ、タイムですわ! 話せば分かりますわ!」
エルフは
「お
半泣きで取り
「キャーーーーーッ?!」
何が
◇
エルフは、
「
音はぼやけて、誰の声か分からない。
自分がベッドに寝ていることだけは分かる。寝ていても良いことだけは分かる。
エルフは、誰かの手の
◇
エルフは飛び起きた。
「あ、あの、目が
女主人が、
森の近くの小都市の、エルフが出発前に
「あ、あの、どうかいたしましたでしょうか?」
「……
エルフは、女主人の
「ご主人。食料と水を、いくらか用意していただけますかしら?」
「え? えぇ?」
女主人は
エルフは、
◇
エルフは、ボロボロの木の
バンッ、と
「ゼェ……ゼェ……。
ボロ扉の開いたボロ
「また来たのかい?
暗い部屋の
「
エルフは
ボロ家から、元師匠が出てくる。草むらの中央に進み、立つ。
元師匠は、エルフ特有の長く
魔法は、左手薬指に
元師匠が、足を
「魔法協会のやつらは、本当に
「元師匠は、そんなに
エルフは貧乳の前に、魔法杖を
元師匠が、
詠唱のための
「グラスバインド!」
「バーストフレア!」
エルフは走りながら、魔法の火球を飛ばした。
「ソイルシールド!」
元師匠は、土の
ここまでは、予想通りだ。
火球が土の盾に当たって、
エルフは森に駆け込んで、木の
「ハァ……ハァ……」
「ほぅ、隠れたか」
元師匠の独り言が聞こえる。
ガサリ、と近くの
「グラスバインド!」
バチンッ、と
「ん?
野ウサギが草から
見送るエルフは、
呼吸の半分で詠唱を維持する。残りの半分で
チャンスは一回限りだ。あの元師匠に、同じ手は二度と通用しないのだ。
元師匠の足音が草を
チャンスは一回限りだ。
エルフは木の
元師匠を
「ヘルズインフェルノ!」
元師匠が、周囲の空間ごと、
「かぜのやいばよ」
炎は十秒ほどでおさまる。十秒ほど前まで元師匠が立っていた場所には、黒く焦げた土の
「それで
ここまでは、エルフの予想通りだ。元師匠が呆れるのも、指導が入るのも予想通りだ。予想通りであって、
予想外があるとすれば、二重詠唱しながら走ると
エルフの走りが
「グラスバインド!」
元師匠が魔法を
エルフは、
「グラスバインド!」
元師匠が魔法を唱えた。
追い打ちの大きな草が生えて、エルフの全身に絡みついた。
草に引き
しかし、それはできない。この二つの詠唱をやめてしまえば、
「まだ
元師匠が、昔を
エルフも微笑し返した。
ただし、微笑は
「ブレイジングクロウ!」
炎の
「
元師匠を土の
「今度こそ、ごきげんよう、元師匠! ウィンドファルシオン!」
エルフの前方から、風の
高速の風の刃は、自由落下で
風の刃が土の
ドスンドスンと、何か大きな足音が、地面を
「……え、ええええぇ?」
エルフは
土の窯の上に、大きな
……いや、あれは本当に葉っぱなのだろうか。
葉っぱは、
太い茎の
この
エルフは
「今のは良かったよ。
植物モンスターの後方から、元師匠の声が聞こえた。
エルフは
炎を
「どうだい、
「
エルフは
植物モンスターの大きな葉っぱが、エルフへと振りおろされた。ベチンッ、とギャグみたいな音がした。
◇
「
勇者は木の
机には、次の
勇者は資料から目を
目を逸らした先の、拠点の出入り口が開いた。木の
エルフがゆっくりと近づいて、机の
「エルフさんも、今、帰ってきたところですか? 用事は、終わったんですか?」
勇者は突っ伏したまま、
「わたしたちの
勇者の
「え、ええぇ……?」
勇者は
エルフは資料を
勇者は困惑のまま、エルフを見送った。
「
勇者は疲れ
◇
ワタクシは、
他に、何の
/わたしは
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