第9話 山盛りのスライム
わたしは、
日々は、大剣を
人間の
わたしは、夢の中で、勇者と呼ばれていた。
◇
「あっ! あっちにもいます!
勇者は、木々の間の
スライムとは、ゲル状の不定形モンスターである。
「ファイアボルト!」
エルフが、火の玉を
「ゲホッ、ゴホッ」
勇者が
「
「緑色だから毒がある、ってわけじゃないな。スライムは、何色でも
戦士が
勇者たちは、山の中にいる。森に
朝に
「あっ! 今度は、あっちです! 太い木の
勇者は、太い木の
戦士は山に入った
「勇者さん! 足元です! 大きな石のところです!」
スライは飛ばされて木の
勇者には三人の
戦士は青い
エルフは、エルフ特有の長く
僧侶は、村の教会でも見かけるような
「スライムに
戦士のアドバイスを
「やりましたっ! 私でも
僧侶が、大はしゃぎで、ぴょんぴょんと
「次は、
御嬢様のエルフが、
「じゃあ、
戦士の
「野宿なんて、
エルフが
「分かった分かった。ここから山頂に登って、日が落ちる前に下山して村に戻る、ならいいだろ?」
戦士が
「それなら、
エルフは
勇者と僧侶は、戦士さんは大変だな、と他人の
◇
勇者たちは、山頂に
森が途切れて、岩場になっている。
「あっ! あそこ! 木々の
勇者は、目の上に左手を
「あちらにも、見えましてよ。
エルフが、魔法杖で別の方向を示した。
「あっちにも! あっちにもいますよ! 草むらみたいになってるところです!」
僧侶が、
それだけではない。あちこちに見える。色々な場所に、
「まずいな。スライムだらけじゃねぇか」
戦士が
たぶん、山の中腹を、
「どこか、スライムの
戦士は
「ワタクシ、
エルフが疲れた目をして
「じゃあ、わたしがエルフさんを
「
勇者は、背負う大剣を、右手で
「ファイアウェポン!」
背負われたエルフが、勇者の大剣に
「あっつっ。その剣、
自分で
「
「はいっ!」
「いつでも行けます」
「早くシャワーが浴びたいですわ」
三人の
地面が
「
戦士の声が、
「今さらなのですが、スライムに捕まると、どうなるのでしょうか?」
勇者は、
「スライムに捕まると、酸で
僧侶が
「エ、エッ?! ……それは、
勇者も
「ねえよ!
戦士がツッコミを入れた。スライムの地面の直前でとまって、
僧侶が
勇者は、炎の魔力の付与された大剣で、スライムを斬った。ジュッ、と焦げる音を出して霧散した。霧散したスライムの緑色の煙を吸って、咳込んだ。
いくらか道が
道を塞ぐスライムを倒す。
「ゲホッ、ゴホッ」
勇者が咳込む。
肌のピリピリは、スライムの
勇者自身は、まだ
戦士は、まだ
僧侶は、動きが
となると、
「エルフさん。大丈夫ですか?」
勇者はエルフを
エルフが、ぐったりしている。
「戦士さん、僧侶さん、すみません! エルフさんが
勇者は、二人の
スライムの一体が、飛びかかってきた。
勇者はエルフを背負ったまま、
戦士と僧侶の方も、
危険だ。駆け出し冒険者の勇者でも、危険と分かるくらいに、危険だ。
飛びかかってきたスライムを、大剣で焼き斬る。エルフが煙を吸わないように大きく後退する。戦士と僧侶がさらに
二人との
「こっちはこっちで何とかする! オマエはエルフを
戦士の
「分かりました! 後で、合流しましょう!」
勇者は大声で
◇
山が、
「ここって、本当に安全なのでしょうか?」
勇者は小声で、
勇者とエルフは、山の中の森の中の、地面に開いた
「スライムは、
エルフは、
エルフの
勇者は自分の口を手で
勇者も、
「これから、どうしますか?」
勇者はエルフに聞いた。主体性がないのではない。農村で村長の娘として生きてきたから、どうすれば良いのか本当に分からないのだ。
「魔力が
エルフが、
「じゃあ、とりあえず朝まで
勇者は小声で、
「
エルフは
勇者は
◇
「こいつはまた、
頂上の
山の頂上は、森が
その一際高い岩の天辺に、戦士と僧侶はいた。天辺で、二人で、
高い岩の
「これはもう
下方に
「だから、
戦士はツッコミをいれた。
絶望との
戦士と僧侶だけなら、
「おら、僧侶。オマエも手伝え」
戦士は岩の
「はい! お手伝いします!」
元気で明るい返事だ。自信か、
戦士は
投げ落としたビンが
「わぁ! もしかして、それで、スライムを
僧侶が
「これっぽっちの油で、あの量のスライムを倒せるわけないだろ。せいぜい、ヤツらに敵の存在を
燃える火には、スライムが次々に
「あああああ……。消えてしまいました……」
僧侶が、四つん
「それでいいんだよ。どうせ、オレとオマエだけで倒せる相手じゃあないからな」
戦士は、次のビンを投げ落とした。戦士の声は
◇
地面の
「オーッホッホッホッホッ!
穴から、背の高い女エルフが
「エルフさん。この
勇者も穴から出て、身の
エルフが
エルフの白く長く美しい
勇者も山頂の方を見あげる。
朝日が
山頂に
「あれ、戦士さんと僧侶さんですよね? 二人が
勇者は
「落ち
「えっ? それってどういう意味でしょうか?」
「つまり、戦士が、
エルフは、自分だけ
勇者は
「じゃあ、
頂上を目指して走り出そうとする勇者の左手首を、エルフが
「勇者。ワタクシ、
「ええ……?」
勇者は
勇者は山を
勇者の
森が
後方で、ジュッと焼ける音がした。頂上に
「戦士さんも僧侶さんも、無事みたいですね。間に合って良かったです」
勇者は、スライムの塊の向こう、突き出た岩の
スライムの塊に視線を
「エルフさん。ここからどうすればいいですか?」
勇者は、背負うエルフに質問した。
勇者は駆け出し冒険者だ。強くても、スライムみたいな
目の前のスライムの
エルフは、色々と知っている
答えはない。勇者の
魔法の
こういう、何の
スライムの
勇者は
スライムの塊が、ジリジリと
勇者は横にステップを踏みながら、スライムを次々と焼き斬る。
大事なのは、エルフに
エルフは今この距離で詠唱を開始した。スライムの塊に魔法を使うのに、この距離が最適だからだ。
スライムが次々と射出される。勇者は次々と焼き斬る。エルフを背負い、大剣を片手で
「インフェルノ! ストーム!」
スライムの塊を、巨大な炎の
エルフのこういうところが
スライムの塊が燃える。焼ける音と、
「オーッホッホッホッホッ!
エルフは、勇者に背負われたまま、
「ねぇ、勇者。アナタの実力も、ワタクシは
「えっ? えっと、あの、……わたしは、エルフさんのこと、ちょっと苦手です」
勇者は
「ンマァ!? 何ですって?! 高貴なワタクシが、
エルフが
この後の
◇
わたしは、
わたしは、夢の中で、勇者と呼ばれていた。
/わたしは
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