第8話 半魚人の女神
わたしは、
日々は、大剣を
人間の
わたしは、夢の中で、勇者と呼ばれていた。
◇
勇者は大剣の
足元が大きく
海がうねる。
金色の長い
勇者は、チラッ、と後方を
勇者には、三人の
僧侶は、
時間はかけられない。なるべく
「たぁっ!」
勇者はシーサーペントを
半魚人が
「ゴポッ!」
シーサーペントの
「まだ、
勇者は
シーサーペントが、青い
「ゴポポポポッ!!!」
シーサーペントの
しかし、
軍船も中央からへし
勇者は
落水する。流れが速く、冷たく、息が
◇
勇者は目を
「……え? あれ?」
「きゃっ?!」
いや、その前に、
シーサーペントを
大剣が、
現状を
「おお。お
声が聞こえた。部屋の入り口に
何者かが入ってくる。ベシャッ、ベシャッ、と水を
「っ?!」
勇者は
「
半魚人とは、魚類に人間っぽい手足が
「
状況が
「我々は、あのシーサーペントに
半魚人が勇者の前に
「ちょ、ちょっと
勇者は、ずり落ちそうだった
掛布を頭から
掛布から
「あ、あの、人間の言葉が、お
勇者は、
「
半魚人が
「えっと、わたしが、あなたに助けていただいたのは、何となく分かりました。あの船には、わたし以外にも人間がいました。仲間や、海兵の皆さんなのですが、どうなったか、ご
勇者は、ぎこちない公用語で
「我々、あの場にいた
「あっ、ありがとうございます! おかげで、心が少し
勇者は、
「おおっ!
「っ?!」
勇者は
◇
「女神様。魚。食べる」
「あ、ありがとうございます」
半魚人が
「女神様。
半魚人が
半魚人たちは、勇者を『
半魚人がもう人間を襲わないのなら、半魚人を退治する必要はない。ない気がする。
退治しろと命令されても、
「……という感じで、まあ、いいですよね」
勇者は考えるのをやめた。焼き魚を一切れ、口に
半魚人たちは、勇者によくしてくれる。食べものをくれるし、
モンスター退治のときは、
また、部屋の入り口に
今度は
「女神様。これ、流れてきた。あげる」
「わぁっ!
勇者は、キラキラとした薄い布を受け取った。
「女神様。
半魚人に
半魚人が部屋を出ていった。勇者は、また一人になった。
もうどの半魚人でもいいから、次に会った半魚人に頼んでしまおうか、と考える。次いつ会えるか分からない流暢な半魚人を待つよりは早い。
こんなことで
勇者は、片言でこそないが、片言と
「まあ、
勇者は、
◇
勇者は、
この洞窟は、岩が
あちこちに、光る
なかなか半魚人に会えない。けっこう広い。
「すみませーん! どなたかいませんかー?」
勇者はやむを
ベシャッ、ベシャッ、と水を
「女神様。部屋にいない。
半魚人の一人が、勇者の前に進み出た。
「あ、あの、すみません。ちょっと
勇者は
「
「あ、ありがとうございます」
半魚人たちの
半魚人たちは、いつの
案内されながら迷うかも知れない、みたいに
「だ、
勇者は赤い顔で
何が違うかは、分からない。分からないが、何か違う気がする。
部屋に
「ありがとうございます。おかげで、無事に
勇者は半魚人たちに頭をさげた。
「女神様。話ある。いい話」
半魚人の一人が話を切り出した。
勇者は
「え? あの、いい話って、どんなお話でしょうか?」
勇者の声は
おかしい。半魚人たちに
おかしい。半魚人たちの目が赤い。たぶん、
「女神様。子作り、手伝ってほしい。我々の、子供、
「…………ええっ?!」
勇者は
同時に、
「女神様、我々の子供、
半魚人の一人が、
「あっ、あのっ、……ごめんなさい!」
勇者は
「女神様!」
道が分からないまま、
勇者は走る。道も分からない薄明るい洞窟を、
「女神様!」
後方から半魚人の声が
両手で耳を
ザザーッと、波の音が聞こえた。
勇者は、
「女神様!」
半魚人たちに追いつかれた。全員、目が赤く、
勇者は思わず、背中の大剣を
半魚人に悪意や害意がないと、分かってはいる。本気で
だから、皆殺しにするほどのことではない気がする。しかし、乙女の勇者としては、当然の
背後の海から、ザバッ、と水音がした。
「しまった! 後ろを取られ」
勇者は
「おお、女神様、お
人間の言葉を
「
流暢な半魚人の呼びかけに、他の半魚人たちは
「それ
勇者は気が
◇
わたしは、
わたしは、夢の中で、勇者と呼ばれていた。
/わたしは
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