第3話 勇者デビュー
わたしは、
日々は、大剣を
人間の
わたしは、夢の中で、勇者と呼ばれていた。
◇
勇者は
馬車の毛皮みたいな
この役人は、
王都の
今の勇者の興味は、馬車を
「
女役人が
この女役人は、村からここまで
「えっと、つまり、馬車を降りていいってことですか?」
勇者は
「はい。目の前にある
女役人は無表情で、
「馬車を降りたら、石畳に
勇者は努めて明るい口調で質問した。
「え……?
女役人が、
この女役人が表情を変えるのを、勇者は初めて見たかも知れない。それくらい無表情だった。感情表現もなかった。
「ありがとうございます!」
勇者は
「勇者様。こちらです」
女役人に呼ばれた。表情も抑揚も、すでになかった。
勇者は
石の廊下が
「この建物が、勇者様の王都での
「はい! ありがとうございます!」
勇者は元気に
「中に、
女役人が、
「あ、あの、扉を、わたしが開けてもいいでしょうか?」
勇者は、
「もちろん、
女役人が、無表情で一歩さがった。
勇者は扉の取っ手を
これが、自分の勇者としての一歩目だと感じた。一歩目は、自分の足で
取っ手を
◇
三人いる。
勇者たちが入るのを見て、椅子に
背が高く
戦士は青い
エルフは、エルフ特有の長く
女僧侶は、村の教会でも見かけるような、国教の
勇者は、金色の長い
勇者は
「勇者に
勇者は
戦士が一歩、前に出る。
「オレは」
「
エルフが、戦士を指さして、戦士の自己紹介を
「
他の三人とエルフ自身も、指をさして呼んだ。知的で
「あ、あのっ、魔法使いさんだけ、六文字で長くて、呼びづらいと思います」
僧侶が
エルフは
「……では、エルフとでも呼んでください」
呼び名の
戦士が一歩さがり、
「じゃあ、
声は
「冒険者ランクはAで、
戦士は、
戦士がさがると、僧侶が一歩前に出る。
「あっ、あのっ、あのっ、
高くて
回復魔法は
それ以外の部分は、頼りになりそうにはない。
僧侶が一歩さがる。エルフが、
「エルフの魔法使いですわ。ワタクシ、魔法協会会長に
戦士がエルフを
「
女役人が
今だ、と勇者は一歩前に出る。
「ゆっ、勇者です。
勇者は
三人の仲間が勇者を見る。
勇者は
「
「びっ、美少女だと思います。美少女すぎて、びっ、ビックリしました。
「中身はともかく、装備は強力な魔法品ですわね。中身はともかく」
三人が、
「みっ、みんな。これから、なっ、仲良くしてください。よろしくお願いします!」
勇者は、
「そろそろ、国王陛下への
女役人が無表情で、抑揚少なく
◇
「勇者よ。よくぞ
国王から、
「子供の
女役人が、
勇者と仲間三人と女役人、計五人が国王に
国王は、ちらっと見た感じ、
「そうであろう、そうであろう。良い
国王が
勇者の言葉を代弁した、としているが、勇者の言葉を代弁したわけではない。
勇者は女役人に、勇者様の言葉を
勇者の代弁は、女役人が
勇者の今の気持ちを
「
国王の長そうな話が始まった。
◇
どうにか
石造りの
勇者は木の椅子に座り、木の
「
突っ伏したまま、ありのままを言葉にした。
「本日の
女役人が
「他に
「ちょっと
戦士が
「はい、どうぞ、戦士様」
女役人は
「どうして、男がオレだけなんだ? パーティーには、パーティーバランスってやつがあるだろ?」
「
答える方もどうでもよさげだ。
「女三人の中に男一人は
戦士が僧侶を左手で示した。
「えっ? あっ、うっ、ご、ごめんなさい。わっ、私っ、ドジで、ノロマで、皆さんのお役に立てるか分かりまぜんけどっ、がんばりばすからっ」
僧侶が
「いや
戦士が
「そんなことないですよ、僧侶さん。
勇者は、僧侶の
「
「
「はいはい。オレが
戦士は
「はいっ。私も、神の
僧侶は
これはもしかして
勇者としてパーティーの
そんなイメージを
戦士は、女三人の中に一人だけ男で、
僧侶は、自分に自信のない
エルフに
「あ、あの、本当に、よろしくお
勇者は、不安を心の
◇
わたしは、
わたしは、夢の中で、勇者と呼ばれていた。
/わたしは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます