第5話 渡瀬組のシノギ

俺たちは知らなかったけど優菜さんは熊坂高校に通っていた。学年は同じだけど、クラスは違う。

授業中は離れることになってしまうけど、休み時間や昼食時には一緒にいることになっている。

(小林さんにGPSを渡されたので職務を放棄すればすぐにバレて地獄を見ることになるだろう……。)


〜週末〜

この一週間、学校に行ったりしていてろくに時間かなかったが、週末は2日休みとなっている。

俺と琢磨は小林さんに提案をした。

湊音「俺たち、なにか手伝えませんか?」

小林「いきなりどうしました?」

琢磨「俺たち、色々としてもらっているのに何もしないわけにはいきません。」

小林「何を言ってるんですか。あなた達の役目は優菜お嬢様を守ることですよ。」

湊音「そう言われても…。屋敷内では安全は保証されているし、身の回りも優菜さんは1人でこなすことができます。」

琢磨「そうなると、俺たちこの土日は仕事が無くなるんですよ。」

小林「なるほど……。分かりました。少し時間をいただけますか?」

湊音・琢磨「「分かりました。」」


〜1時間後〜

小林さんはさっきからあちこちに電話をかけているようだ。

すると、電話を終えた小林さんが俺たちに話してきた。

小林「それじゃあ、あなた方2人は渡瀬組のシノギの一部を手伝ってもらいましょう。」

湊音「シノギ?」

琢磨「いったい何をするんですか?もしかしてやばいことを……。」

小林「いえいえ、渡瀬組が運営している店の店員をしてもらいたいんです。」

琢磨「店?」

小林「ええ、私たちは何かあったときのために普通のシノギもやっているんです。」

  「あなた達にはその中の人手が足りていないレストラン『スカイハット』の手伝いをしてもらいます。もちろん土日だけですが。」

湊音「ス、スカイハット!?」

琢磨「あの有名レストランの!?」

小林「あそこは我々渡瀬組が運営しているんですよ。」

湊音「そ、そうだったんだ…。」

小林「では、明日からお願いしますね。」


こうして俺たちは週末、レストランで手伝いをすることになった。

小林さんからは、

「勉強を疎かにしたら部屋に箱詰めにして勉強してもらいますからね。」

と釘を刺されてしまった…。気をつけよ…。


                     続く

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