小さな妖精さんとXXしよう

「ねぇ、私・・・アレがしたいな」


メグが私に上目遣いでお願してくる。

彼女はこれが大好きだった。

私としても断る理由がないので準備を始める。

大事な所が少し汚れていたのでちゃんと洗浄をして、

汗をかいた時用のタオルとお風呂も準備する。

着替えと彼女が疲れてもすぐに横になれるように布団も用意した。


「妖精のだとやっぱり物足りないんだよね。これも人間のが好きです。大きい方がいいよ。」


そう言ってもらえるとこちらも嬉しい。

実は大きさには自信があった。

しまうときに苦労する事があるくらいだ。


やはりスマホの画面は大きい方が良い。

メグは私のスマートホンにインストールしているアプリゲームが大好きだ。


妖精の世界でも電話は昔から存在しているが、スマホやパソコンといった

精密機器は未だに妖精用のものは小型化が難しい。

そんな中でアメリカの有名なIT企業は妖精用の携帯通信端末を発売して話題になった。リンゴのポシェットのようなそれをメグも持っている。

電話やメールや簡単なメッセージ通話くらいなら私たちが使うスマホと同じ

事ができるが、娯楽アプリとなるとまだまだこれからという感じだ。


「このリンゴのやつも便利で好きだけどね。通話するときにこう両手で持つから

食べてるみたいになるの。作ってる会社はどんだけリンゴ好きなんだって思う。」


コンピューターの会社の名前に由来してリンゴの形にしているらしいが、私は可愛くてよいと思う。

大きさとしては人間の感覚だと本当に最初の頃の鞄型携帯電話に近いかもしれない。


「じゃあコントローラをつなげて…靴下も脱いじゃうね。めざせフルコンボ!」


メグが遊ぶのはアイドルのアニメが原作のリズムゲーム。

本来は両手を使ってシャンシャンと遊ぶゲームだが、妖精も遊べるように専用コントローラが販売されていた。

コントローラーは足でボタンをタイミングよく踏んで遊ぶ。

キャラクターの可愛さと楽曲の良さ、ゲームバランスからサービスが開始して

10年経つ今でも人気のアプリだ。

ちなみに課金はしてません!


「楽曲はあなたが好きな曲でやろう。じゃあこれ。見ててね。」


カウントダウンが始まりゲームスタート。

先ほど画面も綺麗に拭いたので見やすいはずだ。

メグは軽やかにステップを踏んでシャンシャンと気持ちのよい音が繋がっていく。上手い。

妖精は羽を使って空を飛んで生活をする。そのせいもあって彼女たちは身軽で

こうして遊ぶリズムゲームは人気があるらしい。

ただでさえ美少女のメグが汗を輝かせて踊る姿にしばし見とれているといつの間にか曲が終わっていた。

結果はフルコンボだどん!


「ふふーん、どんなもんですよ。これくらいなら楽勝です。私もなかなかのものでしょう?よしもう一曲!」


メグは難易度をハードでやっている。

さらに上級の難易度もあるが、あれは正直エスパーでもない限りあれはクリアするのも難しいと感じる。

彼女は水をグイっと飲みタオルで汗を拭いて次の曲選びをする。


「次は難易度上げてみよう。うーん…できるかな?でもやってもないのに諦めるなんてダメだよね!」


原作アニメでも聞いたようなセリフを言ってベリーハードの難易度で始める。

この曲はこの難易度の中ではまだ簡単な部類であるが…大丈夫だろうか?


「ようし、がんばりますよ!」


スタートと同時に先ほどとは比べ物にならないほどのスピードで譜面が落ちてくる。

それでもメグは食らいついてシャンシャンと音をつなげる。

冷静にかつ迅速にステップを踏んでいく。彼女の顔は真剣そのものだ。

やはり踊っている時のメグはとても綺麗だ。瑠璃色の羽もあって幻想的に感じる。

ステージの後半は少し動きが鈍くなったが、踊り切った。。


「あー1つミスしちゃってたか。やっぱり難しいな。でも楽しかった!」


残念ながらフルコンボではなかったが、圧巻のパフォーマンス。


「そんなに良かった?嬉しい!これはもう私もアイドルデビューできちゃうかもしれないね。でも大丈夫!私はあなただけのアイドルだから心配しないでいいよ。」


褒めると少し調子に乗るメグをたしなめつつ、汗をたくさんかいてるようなので

お風呂を勧めた。本人はまだ遊び足りないようだったが、ゲーム内のスタミナが足りないので我慢してもらう。課金はしません!


「残念だけどまた今度にします。じゃあお風呂いただきますね。

覗いてもいいけど…覗くくらいだったら一緒に入る?ちょっと恥ずかしいけど…

私は平気だよ。」


ま、まぁそういうことは追々という事で…。


奥手で臆病と言われればまさにそうであるが、

彼女の事は大切にしたいそんな気持ちが今は勝っている。

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