ファンノベル台本(他の方もお使いください)

容疑者八雲  (演者設定 薬師寺八雲様&蓮華紫苑様)

⭐こちらは薬師寺八雲様&蓮華紫苑様のファンノベルとして書き下ろしたものです

そのままあるいは役名を変える等して、他の方にもお使いいただいて大丈夫ですが、設定演者様の名誉毀損につながる改変は厳禁です





紫苑「さて、少しは落ち着いたかな? 容疑者、八雲くん?」

八雲「……落ち着くも何も。そもそも、いったい何の容疑だって言うんだよ? 俺は、何も……」

紫苑「おや、まだ寝ぼけているようだねぇ? 自分が何をしたのか、分かっていないと?」

八雲「俺は何もしていない! なのに!」

紫苑「何も、していない、だって? へえ?」

八雲「……なん、だよ……? 俺は、本当に……」

紫苑「何も、していない、と?」

八雲「……してない、たぶん」

紫苑「たぶん?」

八雲「あ、いや! してない! 絶対!」

紫苑「……容疑者八雲くん。そろそろ、本当のことを話してくれないかな?」

八雲「だから! 俺は!」

紫苑「まずは、今回の事件のあらましを整理しようか」

八雲「…………事件って……」

紫苑「今朝、事件の第一発見者が君の家の、とある場所の扉を開けた、と。そこには被害者の変わり果てた姿があった」

八雲「なっ! それは!」

紫苑「前日、夜の就寝前には、傷ひとつなく、なめらかだった肌が、でこぼこになるまで痛めつけられ、しかも干からびていた……これを発見した人は、大変なショックを受けたようだね」

八雲「昨日は、ちょっと酔っ払っていて、夜のことは、よく覚えてないんだ……だから」

紫苑「覚えていない? だって? 前日、君は被害者と対面している。その時に、第一発見者と約束したんじゃないのかね?」

八雲「約束?」

紫苑「どれほど誘惑されても、決して手を出さない、と」

八雲「……それは、確かに、約束したよ」

紫苑「なのに、その約束を破って、君は、彼女に手を出した」

八雲「それは違う! 俺は、ちゃんと、約束を守るつもりで!」

紫苑「つもり、で?」

八雲「いや、約束は守っていたんだ。だけど……」

紫苑「だけど?」

八雲「飲みすぎて、喉が乾いて。お茶を飲もうと起きたら、その……あんまりにも、ツヤツヤぷるぷるで……たまらなくて」

紫苑「手を、出した、と」

八雲「ほんの少し、ほんの少しだけのつもりだったんだ! だけど、酔っていて、つい手加減出来なくて……気が付いた時には……」

紫苑「そうか。そうして彼女を傷物にした挙げ句、傷だらけの彼女を、ひどく乾燥した寒いあの場所に、放置した、と」

八雲「……まさか、あんなことになるなんて、思わなくて……」

紫苑「掛けものひとつなく、一晩中寒風かんぷうにさらされた彼女は、次第に生気を失い、第一発見者が見つけた時には、もはや手のほどこしようもなく……なんて、むごいことを」

八雲「……俺は、俺は……」

紫苑「今さら、何を泣くのかね? 彼女をあんな姿にしておいて? それを見つけた第一発見者の気持ちが、分かるかね? 信頼していたパートナーに、二重に裏切られたその気持ちが!」

八雲「……すみません」

紫苑「せめて、せめて、彼女を手厚く保護していれば、まだ救われたものを! 君に、その配慮が出来ていれば! 最悪の事態は防げたんだ!」

八雲「……スミマセン! ごめんなさい! まさか、あんなことになるなんて……」

紫苑「君が、ラップさえちゃんと掛けていれば! 特大バケツプリンをそのまま冷蔵庫に入れっぱなしにしたら、干からびるのは分かりそうなものなのに!」

八雲「ごめんなさい!」

紫苑「ギルティ! 有罪! ひとくちも食べてなかったのに! 八雲のバカぁ! 草ぁ! 燃やしてやるぅ!」

八雲「うわぁ~紫苑ちゃん! 許してくださあーい」

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