異世界召喚(男女掛け合い)

女「よくぞたどり着きました。聖なる刻印を授けられし者よ」


男「ここは……俺は……いったい……」


女「ここは、あなた方の言葉で言うならば『異世界』でしょうか? あなたは、この世界のことわりに招かれました」


男「まね、かれた? 『異世界』だって? まさか、転生……いや、転移か?」


女「ええ。今、世界は危機にひんしています。あなたの力が必要なのです」


男「俺の……いや、でも、俺には力なんて」


女「いえ。あなたには、隠された力があるはず。さあ、見せてください。あなたの力を」


男「え、あ、じゃあ……。『目覚めよ……われの内に秘められし力よ。神々の与えたもうた、聖なる刻印に宿りし、光のパワー……今こそ、ここに顕現けんげんせよ!! シャイニング・ホーリー・アターックッ!!」


女「……えっと……それは?」


男「いや、なんか、雰囲気? ……っていうか、何にも出ないな……何で?」


女「いや、分からないです。というか、力、ないの?」


男「ないのって……へ? 何? なんもチート要素なくて、世界を救えとか? じゃあ『聖なる刻印』って、何?」


女「それは決まり文句というか。とりあえず召喚すれば何とかなるかなぁ、と。……チッ、ハズレか」


男「……帰るぅ! おうちに帰してぇ!」

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