涙を拭いて(男女指定無し掛け合い)

A「ねえ、そんな風に泣かないで……」


B「え? ……泣いてなんか、ないよ……」


A「素直に涙を流して泣いてくれたら、まだマシだよ……。その涙をいくらでも拭いてあげるのに」


B「だから、泣いてなんか……。いつでもニコニコだよ?」


A「……笑顔で、必要以上に頑張って……みんなに心配かけまいと元気に振る舞って……本当は、スゴく傷ついているよね? 分かるんだよ?」


B「……なんで?」


A「どれだけの長い間、見てきたと思う? ずっと、ずーうっと、頑張ってきたの、知ってるんだよ?」


B「だから、なんで……」


A「うーん、それ訊いちゃうんだ? 言っていいのかな?」


B「え?」


A「言っちゃったら、もう後戻りする気はない、よ? ただの友達でいる気はないから。それと、他の人に譲る気もない。心の中の涙ごと、抱き締めちゃうよ?」


B「……ばか……」


A「あれ? そこでホントに泣くとか、ズルい。……本気で、抱き締めたくなる……涙、拭いていいかな?」


B「…………ふぇ、ふぇーん」


A「ハンカチ、ない、から……そのまま、抱き締めちゃう、よ? ……ギューっ」


B「……ひくっ……ありがと……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る