第2話 私の名前。

 リリーん、リリーん、リリーん…


「ふぅ、わぁ〜…」


リリーん、リリーん、リリーん…


「ぅうるっさいなぁ…」


リリーん、リリーん…


「はっっっ…」


こ、ここは…。

え、えっと確か、三尾の猫様に会って、私は死んでて、絨毯が無くなって…。


リリーん、リリーん、リリーん…


目覚まし時計が鳴っている。とりあえず止める。


ちゅん、ちゅん…


鳥の鳴き声がする。

ふかふかのベッド。可愛い柴犬柄の布団。

天井には、カラフルなモビールが吊るしてある。

部屋の中は、少し散らかっている。


渚白なしろ〜〜」


誰かが、私を呼んだ。

あれ?

私の名前…?

私の名前って、…なの?


渚白…

渚白…

なしろ…


「渚白っ、ご飯よ!」


「うん、わかった!今行くから〜」

急いで階段を降りる。


「ほら早く遅れちゃうわよ」

「うん、いただきます」


食パンにいちごジャム。飲み物はいちごミルク。いちごづくしだ。歯磨きをして、スマホを触って、色々してたらもう8時だ。


「あんた、いつまで家にいるの⁉︎」


やばい、遅刻するかも。


「いってきま〜すっ」


ちょっと急ぎ足で学校へ行く。

何の変哲もない住宅街。7月入りたてで、十分暑い。


ふと、思った。

夢を見ていたんじゃ無いか、と。


そもそも、三尾の猫が、いるわけが無い。そしてそいつが喋るなんて。夢だ。非現実的すぎる。最近疲れているのかもしれない。学校の道だって、今、何も考えずに行ける。夢だ。大丈夫。ただの夢だ。

そう思いつつ、本当に一度死んでたらどうしようと、焦る自分がいた。


学校についた。

海星かいせい高校…」

なんか、綺麗な名前だなと思う。

時刻は8時16分。間に合った。


「な〜しろっ」

「へ?」

「おっはよぉ〜!」

ぱっつん前髪の、可愛いボブの女の子。えっと、名前は…


波月はづき、おはよ」


波月…。本河波月ほんかわはづき

名前、覚えてる。やっぱり夢だったんだ。


「渚白」

「ぅ、え?」

何かまずいことを言ってしまったかもしれない。変な声が出る。


「今日も髪が綺麗ですね〜ぇ」

「あ、ありがとう(?)」


ありがとうで良かったのか。


「そういう波月は、相変わらず爪が綺麗ですね」

話を合わせる。合わせたつもり。


「もーっ、毎日おんなじやり取り!爪なら、渚白も綺麗だしっ‼︎」


おんなじやり取り…。良かった。


「波月の方が綺麗だよっ。さ、学校入ろう」

「うん!」


まだ新しそうな校舎。

濃い緑色の黒板。

茶色い机。消しカスだらけの机もある。


ーーキーンコーンカーンコーン…


ガラガラっとドアが開いて、先生が入ってきた。

「朝の会を始めるぞー」

30代くらいの先生。


「起立っ、礼っ」

「おはようございます」

「着席っ」


いつも通りって感じ。


「よーし、じゃあ昨日言った通り、漢字の小テストを始めるそー」

「えーっ、そんなこと言ってたっすか?」

「嘘つくなー」


みんなが口々に不満を言う。

私も聞いてなかった。


「静かにっ!用紙配るぞ」

「はぁ〜い」



こんな感じで、今日を終えた。

お弁当はおいしかったし、授業はつまらなかった。

変な夢を見た以外、何の変哲もない日だった。









✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄


 ☆作者より☆

おはこんにちこんばんは! はじめまして! お久しぶりです!

#にっく622です。 読んでいただいて、ありがとうございます♪

「空におちる。」いかがだったでしょうか?


 もし、面白そう! 続きが読みたい!

   渚白可愛い! 三尾の猫様って何者⁉︎

などと、思ってくだされば、☆&♡評価やフォロー、お願いします(^_-)-♡


 では、ばいにっく★

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