空におちる。

#にっく622

第1話 私は、今、空におちている。

 私は、今、空におちている。


何故かは分からない。


感じた事の無い感覚。


ふわふわする。


いや、少し痛いかもしれない。



ーーードカッ


「う…」


どこかにおちた。


「い、痛ぁい…」


眩しい…。


「…あれ」


ここは、どこだろう。


ゆっくり、周りを見回す。

真っ白な世界。

何もない。

私一人だけが、ここにいるのか。


ここが…空?


じゃあ、私は死んだのか。

あれ、生きてる間、何してたっけ。

あれ、私って、何だったっけ。

あれ、私の名前、何だっけ。


ゆっくり、少し痛い腰をおさえて、立ってみる。


「う〜ん?」


足元は、硬くは無い。でも、そんなに柔らかくは無い。

少し手で触れてみる。

絨毯みたいだ。

雲の上ってわけじゃなさそう。

上は、うすい青空。み空色。


「綺麗だなぁ…」


「あ、来た」


「え」


誰だろう。周りを見るが、姿は見当たらない。


「こっちだよ」


声のする方へ向く。


「違う違う。後ろだよ」


後ろを向く。

すると、そこにいたのは、猫だった。

いや、猫じゃない気がする。

尻尾が、三本もある。

猫じゃないのかな…。

でも耳は猫だ。綺麗な三角形。

目も猫だ。吸い込まれそうな金色をしている。


「こんにちは。僕は三尾の猫」

「猫なの?見たことない…」

「そう、僕は猫だよ。ここにくる人間は、いつも僕にそれを言うんだ」


三尾の猫さんは、少し呆れたように言った。


「…一人は違うけどね」


「え?」


「ううん、何でもないよ。さて、本題に入ろうか」


ころころ表情が変わるなぁ…と、思いつつ、本題とは?と、三尾の猫さんに聞いた。


「ここは、未練が残っている人間が来る場所だよ」


未練…。少し考えてから、三尾の猫さんに聞いた。


「三尾の猫さん…。未練って事は、やっぱり私、死んじゃったの?」


「うーん、死んでるって言ったら違うし、生きてるって言ってっも違うんだよなぁ」


う〜ん?言ってることが、よく分からない。


「そして、僕のことは、三尾の猫様と呼べ」


「猫様…」


随分、上から目線なんだな…と言うのは、言わないことにしておく。


「…じゃあ三尾の猫様、私は、どうなるの?」


「うん、僕には、何にもできないんだ」


「えーっと、それは…」


「自分でどうにかするしか無いんだよ」


「…どうにかって?」


「君には、未練があるのね」


「よく分からないけど、そうらしいね」


「その未練を自分で解決しなきゃなんないのね」


「自分で…」


「そうそう。それで、未練がゼロになったら、あの世に行けるんだ」


「えっと、あの世ってことは、やっぱ私、死んでんのね」


「うん…。ま、今のところはね」


今のところ…。

死んでると言われても、足はあるし、見た感じ体は透けてないし…。この状態、中途半端って感じがする。


「未練って、何なの?」

未練なんか、アニメとか、小説の中でしか聞いたことない。どっちもあんまり見ないけど。


「それは、自分にしか分からないと思うよ」


「え、そうなの…?で、でも、記憶とか全然残ってないんだけど」


「ん〜、それは、ここにいるからだと思うけどね」


「じゃあ、どうやって空から出るの?」


「…それは簡単っ」


三尾の猫様の目が、青白く光った様に見えたのは気のせいだろうか。



ーーーフワッ


え… 絨毯が、裂けた。いや、無くなった。

「えっっっっっ…」


「ふふん」


「えぇええぇえぇぇえぇっっっ⁉︎」











✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄


 ☆作者より☆

おはこんにちこんばんは! はじめまして! お久しぶりです!

#にっく622です。 読んでいただいて、ありがとうございます♪

「空におちる。」いかがだったでしょうか?


 もし、面白そう! 続きが読みたい!

   可愛い! 三尾の猫様って何者⁉︎

などと、思ってくだされば、評価やフォロー、お願いします(^_-)-♡


 では、ばいにっく★



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