それは夜光虫のせい

@yoruhi-tori

第1話 深夜1:00

あー、またこの時間か…

『ふぅ、これ本当に開いてんのか?』

いつもお決まりの独り言。


俺は今日も豆電球の灯りすらない

真っ暗な世界を1人、

何もすることなく過ごしてる。

この時間が嫌いな訳じゃない…ただ

疲れが取れた事もない。


普段は以外と世の中に混ざって仕事してるんだよ。

何たって、居酒屋の店長だからね(雇われ)


明日も明後日もきっと、ずっと店長なんだろうな。

もう7年経つとそんなことも気にならなくなる…

これもいつもお決まりの独り言。

さて、今日は違うことでも考えよう。



そういえば、この時間に目が開くって

いつからだっただろう…全く覚えていない。

いつもならここで止めてしまう考えも今日は

昔を思い出して見つけてみる、何たって

夜の時間はまだまだあるんだから。

白目も黒くなってそうな時、ふと5年前を思う…


当時俺は25歳、まだまだ店長に成り立ての

尖った若僧の店長だったなぁ。何もわからないのに、威張って店長面だけは持ってたな。

今思うと痛々しい…(笑)


その時そういえば20歳の子と付き合ってた。

今思ってもどうかしてた…

いや、付き合うのに年の差とかじゃないんだよ?

ただお店の従業員…あるあるなのは知ってたけど

まさか俺がそうなるなんてな。

【決して悪いことじゃないのは間違いない!】



その子の話を少しさせて欲しい。

出会った事とかは、皆の想像通りだよ

だから別れたときの話。(それしか出てこない)


あれは、付き合って1年少し過ぎた時

ずっと気になってた事があったんだろな俺に。

その子はネットとか得意でライブもしてた。

たまたまじゃなかったんだろうけど、

見ちゃったんだよな。携帯。

(○○日に○○ カラオケ)…


そぅ、絶対俺が疑ってたんだよ。

何に?って言われると長くなるし

これもお決まりだよね


そこから、何故か俺は怒鳴り声で

『早く帰ってこい!』って…

その子は焦って帰宅して…その時の顔は

忘れれないよね。

その当時はでも、達成感?守った感?とか

何だろう、とりあえずポジティブな事しか

俺は思ってなかった、

だから最後は顔も見せてくれずにフラれたよ。

貸してた1万円だけ机に置いて…。


今思うとこれが原因なら一生背負うしかない。

それだけ酷いことしたと思う…

あの当時の傷?いや、自業自得だよな。

ここに書かなくても今ならわかるよ

『あの時は信じれなくてごめんなさい…』

開いた目がふさがらない。






思い出している時、

その子が言ってた言葉も思い出した。

『琢磨、また夜中に目が開いてたよ』って



この時からじゃなかったのか、

ふと気づく、きっと1時間目が開きっぱなし。

それでもまだまだ夜は長い、


また違う時を思い出してみるか…。

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