「今ここで俺が自爆したら」

今日は体育館で全校集会の日だった。

なんか校長の挨拶やら部活の表彰やらがあった。

あんまり興味がない話が続くもんだから、俺はついいつもの妄想をした。

「…俺が今ここで爆発したらみんな勢いよく吹き飛ぶんだろうな」

俺は咄嗟に「しまった」と小さく呟いた。

流石に自分が爆発はマズく無いか?と思ったが、時既に遅し。

まず目とか口とか大きな穴から順番に光線が放たれ躍りだし、一瞬の無音の後、爆音が体育館中に響いた。

辺りを覆う煙が落ち着いてから、周辺を見回すと体育館にいた皆は跡形もなく消えていた。

塵も残っていない。


まるで最初から誰も、そこに居なかったかのようだ。

俺は不気味に思い、取り敢えず体育館を抜け出したが、辺りは妙に静まり返っていた。

変に思ってすべての教室を調べて回ったが、この校内には俺以外だれも居なくなってしまっていた。

一旦落ち着いて時間を戻そうと思ったが、どれだけ想像しても、なぜだか一向に現実にならない。

なんだか怖くなってきてしまった俺は、学校の入り口まで走って校門を出た。

しかしそこは、どう言うことだか銃弾飛び交う戦場だった。

立ち尽くす俺の頭を銃弾が掠め、痛みによりその場で倒れた俺をタンカーらしきものに載せて兵士がどこかへ運んでくれた。

大きなテントのようになっている場所へ運び込まれた俺に向かって、大柄な白い装備を纏った兵士がにこやかに語りかけてきた。


続く

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