新規録音 #003
『武器を持っている生存者に襲われた……なんとか逃げ延びたが、右脚を深く切られた。主宰者によって武器が用意された部屋があったらしい。男が持っていたのは大型のナイフだった。隠していたメスを男の肩に刺したが、私と比べて逞しく、どのぐらい効果があったのか定かでない。恨みを買い、下手をすれば追ってくるかもしれない。激しく走り回ったせいか、頭部の縫合痕からも出血している。
記憶が消えてから、録音を聴いて状況を把握するまでの無防備な数分間を狙われた。おそらく、彼の被験者は武器と死体と「殺せ」という単純明快なメッセージで行動している。記憶がない分、短いメッセージの方が瞬発的に行動できる利点は否めない。
血が止まらない。医薬品のある倉庫を探して、傷を塞がなければ。
記憶消去のリミットがくる前後は、可能な限り周囲の安全を確保して、身を隠さねばならない。
まずは生き残りを第一に。
角を曲がるとき、部屋に入るとき、決して警戒を怠ってはならない』
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