第18話
冷たい風が吹くなか、ぼくらはおばさん軍団に警戒しながら歩きました。
しかしシイナちゃんの説得のおかげか、思ったより見張りなんてのは居ませんでした。
「デキてたら、また爆笑ものだったのにな」
絵鈴唯が呟き、ぼくはため息。
「天地がひっくり返るよ……」
ざく、ざく、道を踏みしめる音が、人数分、それぞれの長さで響く中、ぼくは何かにひっかかりを覚え始めていました。
もう、すぐに、思い出せそう。
半分青いような、錆びた歴史は間違いだらけだ。
ぼくは、道を歩いていました。
誘拐事件から学ぶことは直接聞きもしないことを信じる人たちの残念さ。ただそれだけ。
よく、変人扱いされるけど、合理性が見えないから変に映る。その時点ですでに違和感があって、だからダサいのに。
「なにか、言ったかな?」
絵鈴唯の声。
ぼくは、少し思い出しただけだと濁しました。
いつもと変わらない道を歩きながら、コンクリを踏みつけながら。
「そう。あのときも、隠蔽されたんだよ」
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