第14話 Aクラスの華たち
「伊藤さん! 私加藤愛といいます! 私あなたの魔力を見てからというもの自分の魔力が小さく感じてしまったんです! そこであなたとお友達とやらになろうと思いまして! どうですか?」
「え......?」
朝から唐突に言われて困惑する伊藤。
「要するに友達になりたいってことじゃないの?」
伊藤の後ろにいた今井
「なるほど、いいですよ。あなたの魔力もすごかったですから」
「本当です?! それではこれからは美雷と呼ばせていただきますね!」
「よろしく。今日今井さんと向井さんと家で遊ぶけど良かったら来る?」
「えぇーー?! いいんですか?!」
「うん! 大歓迎!」
「では! お言葉に甘えて! 行かせていただきます!」
加藤は喜ばしい顔で自分の席につく。
「おいおい!あの4人が友達になってるぞ!あのグループに喧嘩売ったらまずいことになるぞ!」
「だな、しかもみんな超絶可愛い!! ちなみに俺の好きな子は向井さんだな。あの優しそうな見た目でドSだと信じてる」
「良い着眼点だな、鈴木。でも俺はそっち方面で行ったら伊藤さんだろ。ゴミを見る目で罵られたいよな」
「ふっ、やるなぁ服部。俺は加藤さんだな。ああいう子はグイグイ行くと絶対に慌てふためく。その仕草がたまらなく好きだぁー」
「キモいな、川井。だがわかるぜ、僕は断然今井ちゃんかな。あの子を見てると吐息が止まらないんだはぁ。はぁ、はぁ」
「「「「きも過ぎるぞ、アントニオ」」」」
「えっ?急に裏切るじゃん。仲間....」
「男子たち私たちの話してるよ。相変わらずキモいねー」
「ああいう子は勝手に喋らせておけばいいんですよ!それより伊藤さんこの前より魔力が増えましたね!もう少しで抜かされちゃいそうです!」
「一応あなたを抜かすために頑張ってるんだけどね。なかなか上手くいかないわ」
「頑張ってください!!」
「席につけ。ホームルームを始める。」
雑談が丁度終わった時に久本が来た。ここ一ヶ月顔色が悪かったが、段々治ってきてる気がする。
「連絡事項だが、6月2日に第一回ランキング更新、全国統一魔法テストが行われる。前々から連絡はしていたが、改めて言っておく。他の高校も行うテストだから気を引き締めてやれ。以上、一時間目の準備をしておけ」
久本はすぐさまクラスを出た。
「あと6日でテストかよ!先生そんなこと言ってた?最悪だよー!」
後ろの方で嘆きが聞こえてくる。
「そういえばこの高校全国統一魔法テストで1位以外取ったことないらしいね!プレッシャーえぐ!」
「大丈夫ですよ!だってこのクラスには後藤くんがいますから」
向井は後藤のことを評価しているようだ。
「後藤くん....ね」
彼の情報は色んな所に落ちている。日本の高1で一番強いと言われテレビに取材されたこともあるとか、圧倒的な魔力でマスターを気絶させたとか....。
「とりあえず今日はテスト対策とゲーム三昧! これで決まりね!」
今井が無理やりに提案する。
「私帰るの遅くなるから先家の中入っておいてね」
「うん!わかった」
ガラガラー-----!!!!
「ハイ皆さん! 席についてー! 授業を始めますよ!」
1時間目の担当の教師が入ってきた。
〇●〇●〇●〇●〇●〇●
「じゃあねー!」
「うん、じゃあ」
伊藤は今井たちと別れを告げると、3年の先輩のところに行った。そこでいつも通りの訓練を受けて帰宅する。
「夜道に気をつけてねー。って言っても今の伊藤に勝てる人の方が少ないかー。ははっはー!!」
真泉先輩はいつも陽気だ。どこからそんなエネルギーが湧いてくるのだろうか。
「ただいまー」
マンションの自分の部屋の扉を開け、靴を脱ぐ。
リビングのドアを開けると、今井、向井、加藤の3人が勉強道具を散らかしてゲームをしていた。
「おい向井ぃ!その道具は反則だろぉ!!」
「このゲームにある以上ルール範囲内ですよー。ほほほほ」
「私はなにをすればいいんでしょうか?!このボタンは....あー!!死んだぁぁー-!!!」
「.....................はぁ」
「「「あっ! おかえりなさい!!」」」
「ただいま」
「今3人で『走れ車君!15』やってたんだよ!」
「なにそれ、面白そう」
「でしょでしょ! めっっっちゃ面白いからやろ!」
「私は強いよ?やったことないけど」
伊藤は軽く微笑み、全員を軽く挑発する。
「あーー、もう止められないよ?ぼこぼこにしてやる!」
「私も負けませんよー!」
「誰か....操作方法を教えてください....」
「「「レディー!! ゴォォー!!!!!」」」
今井の口車に乗せられ、伊藤たちはテスト対策を忘れて1日中ゲームをした。
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