第8話 惑星カージェ
広がる青空、見渡す限りの草原、きらびやかな太陽、ここはまさに地球が豊かになった惑星だな。
「さーてこっからどーすっかな」
とりあえず歩いてみる?いやだめだ。無暗に歩いたら変なとこに行っちゃうかもだし。
「魔法で飛ぶか」
ヒュンッ!!
上空300メートルまで飛び、辺りを見渡したところそれっぽい遺跡が何個かあったので、一つずつ行くことにした。
「問題は食料....水はそこの川で、まず生き物がいることはわかってるから行きがてら探すか」
っていうかこの惑星ごと.......いや、
ヒュオォォー--!!
遺跡に着いた俺は中へと入ってみる。空気と自分の神経を連動させ、周りの生息してる生物を見つける。また、上空に一つの監視系魔法を発動させ、異常が起きないかどうかを探っていく。
「暗いな、これじゃあ何も見えない」
ポッ
指先から光を出現させ、それを明かりとして遺跡内を進んでいく。
壁には変な文字が書いてあったり、ところどころに松明が設置されてたりして、人がいたような形跡がある。
グシャッ!!
「うおっ?!びくったー」
歩いていると暗くて見えなかったため、骸骨を踏んでしまった。
道は一方通行で、他に道や抜け穴は存在しない。
よってこの道をまっすぐ進むしかないのだ。
「この明かりだと見えずらい」
ボワッ!
遺跡の上に無数の明かりを付け、完璧に見えるようにする。
「よく見える!!飛ぼうか」
体を横方向にして飛び、スピードが桁違いになる。
そのまま遺跡内を猛スピードで暴走しまわる進。
風を切って飛んでたため進が通ってきた道はえぐれて外に出れるようになっていた。
しばらくして遺跡の最奥にたどり着いた。
「ここが一番奥だろうな」
一番奥は扉があり、そこからかすかな人の気配がする。
「マジか?!人がいるのか?!」
進は扉をふっ飛ばして扉の中に入ると、見たこともない大型生物と、うちの制服を着ている女の子が戦闘しているのが見えた。
「なんじゃこの生物...?」
蜘蛛みたいな糸を吐き散らかし、鋭い足が六本生えており、顔にも牙がある。
「シャアァァァー--!!!」
どうやらこちらに気づいた模様。
「逃げなさい!」
さっきまで戦ってた女の子が進にそう叫ぶ。
進はそれを無視して蜘蛛もどきに魔法をぶつける。
そうだなー、久しぶりに水系統の攻撃魔法を放とうか。
「ふっ!」
シャシャシャシャシャ!!
進が腕を思い切りあげると、それとともに亜空間から大量の水の糸が出現し蜘蛛もどきを切り刻む。
グシャァァー!!
蜘蛛もどきは声を上げる間もなく、肉塊と化した。
あー、あの子に蜘蛛もどきの血が思い切りかかっちゃった。
「もう大丈夫。君名前は?」
進は女の子の方に歩いていく。
「私は冥創学園中等部の学生です」
「学年とクラスとランキング言って、あと一応名前も」
「2年生 Aクラス 季佳 涼 3位です」
Aクラスの季佳 涼か。
この子も遅刻しちゃったんだね。
「ため口でいいよ。ここじゃそういうのないしさ。俺は進って呼んで。それにしても学校側ヤバすぎるよな。遅刻しただけでここに送り込むなんて」
「え?そんな理由でここに送られたんですか?!」
彼女はそれを聞くと目が飛び出そうなくらい目を見開きながら驚いた顔をする。
「えっ、違うの?!」
「私は、ここで生き延びれたら1位に昇格させてあげるって言われたから....」
「そうか、つまり人によってここに来る理由は違うのか」
「そうみたいです。とりあえず、さっきは助けてくれてどうもありがとうございます。私手も足も出ずに死んでました」
「そうだね。俺が来なかったら確実に死んでたね季佳」
そう、季佳はすこし顔をムッとさせて俺をにらみつけてきた。
「そういえば期間とか言われた?『何か月ここにいろ』とか、そんな感じの」
「私は2ヶ月って言われて3時間前ぐらいにここに連れてこられました」
「授業はどうしたの?」
「今日は休みでしたよ?先輩たちは授業あったんですか?」
「普通にあったよ。意味の分からない機会を練習台にして魔力を流し込む訓練がね」
「えっ?!それって第一魔法訓練室のやつですか?!」
あの機械のことを言った途端話への食いつきがすごくなったな...。
「た、たぶんそうだったような.....」
「先輩は訓練やったんですか?!」
「やってない」
「なんでですか?!めったに触れない超貴重品なのに!」
ムキーッ!と小動物のようになり、腹のあたりをポンポンたたいてくる季佳。
「でも壊してるやつもいたし、そこまで貴重ではないんじゃないの?」
「こ、こ、こ、こ、壊したぁぁぁぁー--?!?!?!」
キーーーーーーーーン!!!!!
あー、耳やった。
「うるさい!また得体のしれない生物と出会ったらどうするんだよ!」
「ああ、ごめんなさい。でも壊したなんて信じられません。あれはマスターでも壊せない人もいると言わ頑丈なんです。そんなものを学生の頃から壊しちゃうなんてマスターと互角以上じゃないですか!誰なんですか?!その人」
「名前は....覚えてない。確か今田とかだったかも。忘れた」
「えっ?そんなことあります?」
少々ドン引き顔の季佳。仕方ないだろ!初日行ってないんだから!
〇●〇●〇●〇●〇●〇●
「ハックションッ!!!」
なんだろ?誰かが私のうわさをしてる気がする。
「美雷ー、大丈夫?風邪かなんか?」
「いや、ただのくしゃみだよ」
「そっ!じゃあ特訓の続きしようか!」
「ん」
〇●〇●〇●〇●〇●〇●
「季佳は弱いんだから、しばらくは俺と一緒に行動かなー」
あの程度の化け物にやられてたら、やられちゃうでしょうからね。
俺は決めた!この子を立派に育てて見せる!
「うるさいですー!別に弱くないですー!ということでさようなら!!」
『弱い』という単語に怒ったのか俺と反対方向に歩いていく季佳。
予定と違うなー。まあいいや。でも次会っても助けてやらないからな!!
「ふんっ!!そうかい!ならいいよ!俺はこっちに行くから!」
「さようなら!!」
こうして進のカージェ侵略が始まった。
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