第7話 カージェへ

「席につけー!終礼を始める!連絡事項だが、明日から通常授業だ。今日の授業を見ていたが、体力も魔体力も足りないなお前らは。しっかりとペース配分をしながら明日の授業を受けろ。あとはスマホに送った。では解散!」


ぞろぞろと帰っていくクラスメイト達に合わせて俺も帰ろうとするが、久本に止められた。


「お前は居残りだ」とかふざけんなよ!早く家に帰りたいんじゃ!


久本に連れていかれるがまま飛行機に乗って行くと、【カージェ入口】と書かれている施設に運ばれた。


「は?一体何ですかこれは?」


あまりの驚きに言葉を失った。


「遅刻の罰だ。今日から2か月、カージェの方に行ってもらう。これは決定事項だ。残念ながら上が決めてしまったことだ俺にはどうも出来ない」


「それなら、最後に妹たちに連絡させてください」


「一回だけならいいだろう。3分だけだ」


なんて言おうかな。

取り合えず由良にかけるか。


プルルルルー

プルルルルー

プルルルルー


『もしもし?』

『あっ、もしもし進だよー』

『どうしたの?今友達と遊んでるんだけど』

『ごめんごめん、ちょっと連絡があるから聞いて欲しくて』

『うん』

『これは明里にも家族にも伝えといてな』

『うん』

『俺カージェに行くことになったんだ』

『は?』

『だから俺カージェに行くことになったんだよ』

『私で遊んでるの?切るよ?』

『待て!2か月で戻ってくるけど、それまでに死んじゃうかもしれないからさ』

『はいはい、それだけ?じゃあ切るよー。バイバイー』


プツッ


「もう一本かけさせてくれません?」

「ダメだ。じゃあ行くぞ」

「先生も来るんですか?」

「そんなわけないだろう」


ですよねー。


プシュー----!!!!


俺たちがきたことがセンサーで反応したのか、ごついドアが煙を上げて開いた。


そこにはテレビでしか見たことがないマスターベースがあった。


「驚いたか、ここから先はスマホに連絡を入れていく。わからないことがあったらそこにいる職員どもに聞け。ここにいるだけで失神してしまいそうだ。俺は早くここをでたい。ということで、死ぬなよ。石川」


「死なない程度に頑張りますよ」


久本は走って出口に向かった。


どんだけ帰りたいんだよ、あのくそ教師が!

これどう考えても遅刻の罰じゃないだろ。あそこそんなスパルタなのかよ。


「寂しい気分9割!ドキドキ1割!頑張るぞい!」


とりあえずカージェに行けばいいのか。


目の前にカージェ【真反対】と表示されてるゲートがあるのでそれに行ってみる。


「すみませー。ここ通りたいんですけど」


ゲートは封鎖されていて、通れなくなっているためその受付の人のところに行ってみる。


「へっ?!なんでマスターベースに高校生がいるの?!」


「冥創高等学園から遅刻の罰としてきたんですけど」


「なるほど!それなら問題ありませんね!どうぞ通ってください!」


受付のお姉さんは冥創学園の名前を出した途端に顔の色を変えたが、どういうことなんだろうか?


「わかりました」


俺は緊張しつつもゲートの前でスマホを開いて連絡を確認する。


そこには明里からの一件のメールがあった。


『今どこにいるの?夕飯覚めるから早く帰ってきて!』


ああ、明里よ。お前はどれだけ俺をこのゲートをくぐらせないようにする気だ?

しかし今は受け入れるしかないか、よし!


『ごめん、もうしばらく待っててくれ』


そう返信して俺はゲートの奥へと歩みを進めた。

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