腹痛殿下

 むかぁし、むかし。


 ここからずぅーっと北にある、小さな国の大きな森。

 嵐のような吹雪の中、鬱蒼とした森に入って、獣道をずぅーっと歩き続けるの。三日もすれば、石造りのボロっちいお城が見えてくる。


 三日も歩き続けていたから、当然足は棒になって、お腹はペコペコ、喉はカラカラ。オマケに寒さで身体はぶるぶる震えてしまう。


 だから、嬉しくなっちゃう気持ちも分かる。でも、気安くお城の扉を叩いてはいけないよ。


 なぜって?


 だって、そこは腹痛殿下のお城なんだから。


 〜〜


 そんな昔話を婆さまに聞いたのは、俺が六つの頃だ。


 今にして思えば、なんとも他愛ないおとぎ話だ。

 だが幼い俺には、話に現れる腹痛殿下がなんとも恐ろしかった。

 今思えば、婆さまもあんなおっかない話することはなかったんだ。


 俺、マルコ・デ・ストマーコは、仕事のために、故郷から遠く北に離れたポール公国に来ている。

 小さな国だが、その面積のおよそ三割が森林地帯。目的地はその森の中に佇む城の中。

 俺は商人として、掘り出し物があるという噂を聞き付けてはるばるやって来た。でなければこんな寒いところ、わざわざ来たりしない。

 主人によれば、本来あの隔絶された森の中に入るのは余程の物好きか、装備を整えた見回りの役人か軍人だけらしい。この職に就いたことを後悔しながら、俺は森に足を踏み入れた。


 それから三日。

 雪の降りしきる極寒の森の中、俺はなんとか死なずに歩き続けた。

 野営用のテントと僅かな燃料で吹雪をしのぎ、足が棒になるまで歩き続けてようやく、石造りの古ぼけた城を見つけた。

 城、とはいってもずいぶんとこぢんまりしている。ボロボロの外壁は無数にヒビが入り、その隙間から苔がむしている。こう寒くても苔が生えるんだなと感心していると、風が強くなったので、城の扉を叩いた。


「誰か! 誰かいませんか!」


 隔絶された、古い城だ。無人ではないはずだが、出かけたとかで誰もいない、ということも十分考えられる。その場合、どうにか入れてしまえば仕事は早く済むが、入れない可能性も十分にある。

 燃料は往復分と僅かな予備しか持っていない。

 ここで帰るしかないとなれば、完全に骨折り損だ。


「……何用で?」


 人がいた。ギイと音を立てて少しばかり開いた扉から現れたのは、よれたメイド服を着て、ガラスのくすんだ丸眼鏡をした腰の曲がった老婦人だった。


「道に迷ってしまいまして。すみませんが少しの間、泊めていただく訳にはいきませんか?」


 仕事の話はここではしない。人によってはこの手の商売を嫌う。追い返されてしまうようなことは万一にでも避けたい。


「少しお待ちを。旦那様に伺ってまいります」

「はあ、よろしくお願いします」


 あの老婆は、そのご主人様とやらのメイドということらしい。あんなしわくちゃの婆さまとはいえ、メイドがいるということは、この城の主にはそれなりの地位と財産があるはずだ。

 これは掘り出し物にも期待が持てる。

 しばらくすると、扉が再びギイと開く。


「旦那様のお許しが出ました。どうぞお入りください」

「感謝します、ご婦人」


 俺は一礼し、城の中に足を踏み入れた。


 俺をまず迎えたのは、外側のボロボロの石の塊からは考えられないほど立派な、まるでおとぎ話に出てくる舞踏会の会場のような、大理石造りの純白のホールだった。


「これはまた、ずいぶん立派なお屋敷ですね」

「旦那様は二階にいらっしゃいます。どうぞこちらへ」


 円弧を描く幅の広い階段が左右対称にふたつ。それぞれに、端を金色の刺繍で縁取られた真っ赤な絨毯が敷かれている。

 そして二階の部屋の扉の前に、金色のライオンの彫像が立つ。


 老婦人がその扉を四回ノックする。


「旦那様。お客様をお連れしました」

「入りなさい」


 マホガニーのドアの奥から、穏やかだが威厳のある声が聞こえる。

 老婦人がドアを開けると、いかにもアンティークといった感じの家具に囲まれながら、燕尾服の背の曲がった痩せた老人が俺を出迎えた。


「お邪魔させて頂き感謝します、ご主人。助かりました」

「道に迷ったと伺いました。この辺りは森が深いですからね、ゆっくり休んでいかれるといい。スーザン、食事の用意を。お客様もご一緒にいかがです?」


 メイドの老夫婦はスーザンという名らしい。


「よろしいのですか?」

「ええ、もちろんですとも。聞いていたね、スーザン」

「かしこまりました、旦那様」


 スーザンはそのまますっと部屋を出ていく。


「何から何まで、ありがとうございます。ああ、失礼。まだ名乗っておりませんでした。私、ストマーコと申します」

「ご丁寧に。私はバウホシュメルトと申します。食事を待つ間、ワインでもいかがでしょう」

「ええ、いただきます」


 バウホシュメルトは棚からグラスとワインを取り出し、透き通ったグラスに色の深い赤ワインを注ぐ。

 人がいるのは正直想定外だったが、おかげでこの城の物は手入れが行き届いている。空き家を漁るよりも高く売れるはずだ。

 バウホシュメルトが俺にワインがなみなみと入ったグラスを手渡す。

 俺の見立てが正しければ、このグラス一つで、庶民が一生涯に稼げる額の倍ほどの値は付くはずだ。

 ワインだって、ラベルによれば数十年前の「当たり年」のものだ。これ一滴分で、並のワインならバスタブ一杯分の値段がするはずだ。の価値通常の感覚であれば、行き倒れかけていた見知らぬ男に飲ませる代物ではない。


 高いグラスに注がれた高いワインに、恐る恐る口を付ける。酒の味など分からないが、えもいわれぬ優越感に一瞬頭がくらっとした。世の中の大半の人間はこの感覚を一生味わうことはないはずだ。


「お口にあいますか?」

「ええ。こんなに美味しいお酒は初めてです」

「そうですか。よろしければ、一本持っていきますか」

「よ、よろしいのですか?」

「なあに、同じボトルはいくらでもございます。私のような老いぼれが持っていても飲み切れませんので」

「では、ご好意に甘えさせていただきます」


 収穫ひとつ。

 一生遊んで暮らせる程ではなくとも、このボトル一本でなかなかの値が着くはずだ。

 並の商人ならここらで満足するだろうが、俺は違う。

 今日一日で、一生面白おかしく暮らせる分を稼ぐだけの算段を整えてみせる。

 だが急いては事を仕損じる。

 この手の老紳士は強欲を嫌う。

 あくまで好青年を演じ通すのが得策だ。


 バウホシュメルトに促されるままソファに腰かけ、ワインをちびちびと頂く。

 バウホシュメルトにここに来た経緯を訊かれたので、友人に会うため公国北端の港を目指していたが、港に向かう鉄道代を出し惜しみ森の中に足を踏み入れた結果、野垂れ死にかけた、という作り話をペラペラと話した。


「ほう、それは大変でしたねぇ。よければ、使用人に北まで送らせましょう」

「使用人と言いますと、あのスーザンというご婦人ですか?」

「さすがにスーザンにはこの寒さは辛いでしょう。ラルフという下男が一人おりまして。あまり人前には顔を出しませんが、気の優しい男です。明日の朝にでもお送りさせましょう」

「それはありがたい。しかしバウホシュメルトさん、あまりお世話になってばかりでは申し訳ない。何か私にできることがあればお申し付けください」

「いえいえ、お気遣いなく。来客も長年ございませんでしたから。この老いぼれには、どのようなご用件であっても尋ねていただけるだけで嬉しいのです」


 こんな調子で談笑していると、部屋の戸が叩かれる。


「入りなさい」


 戸を開き、スーザンが恭しく一礼する。


「旦那様。お食事の用意が整いました」

「分かった。スーザン、お先にストマーコさんを案内して差し上げなさい。私は少し用意をしていこう」

「かしこまりました、旦那様。ではストマーコ様、こちらへ」

「ええ。ではバウホシュメルトさん、お先に」

「後ほど食卓で、ストマーコさん」


 スーザンはまたも主に向かって一礼したので、俺も軽く頭を下げる。

 スーザンがつかつかと歩き始めるので、俺はその後ろをついていく。


「スーザンさんは、バウホシュメルトさんにお仕えして長いのですか?」

「ええ。かれこれ四十年になります」

「それはそれは。もう一人ラルフさんという方がいらっしゃると伺いましたが、このお城には三人でお住まいなんですか?」

「そういうことになります。もっとも、私はあまりラルフと顔を合わせることはございませんが」


 紳士的だったバウホシュメルトと違い、スーザンの言葉からはどこか棘のようなものを感じる。

 しかし沈黙は下手に悪印象を与えかねないので、こちらから話を続ける。

 そんな風にのれんに腕を押すような会話をしているうちに、城のダイニングに着いた。


「こちらが食卓でございます。お座りになってお待ちください」

「ええ、ありがとうございます」


 五メートルはあろうかというアンティーク調の卓の両端に椅子が置いてある。その片方に腰を掛けると、スーザンは慇懃に頭を下げて部屋を去った。


「……無愛想な婆さんだ」


 スーザンを見送ってから、俺はボソリとそう呟いた。

 そのまま椅子の背にもたれかかり、一息ついた。

 机の上にはゴブレットが二つほどと、東洋からの舶来品と思われる花瓶に花が一輪。

 周囲を見回せば、純白の大理石の像や、青磁の壺、神話の一場面を題材とした絵画など、金持ちの持ってそうなものが並んでいる。

 壁に架かった時計もきっと俺には想像もつかないほど高いはずだ。

 それらを眺めていると、バウホシュメルトが現れた。バウホシュメルトは割合くだけた格好に着替えていた。


「お待たせしました、ストマーコさん。服装の無礼はご容赦ください。正装ではせっかくの料理も喉を通らんのですよ」

「いえ、お気になさらず。しかし、豪華なお部屋ですね」

「なに、暇な老いぼれの道楽です」


 程なくして、スーザンがワゴンに料理を乗せた皿を乗せて現れる。

 丁寧に配膳し、それが終わるとまた頭を下げて去っていった。


「さあ、召し上がってください。スーザンの料理は絶品です、そこらのシェフにも負けません」

「では、頂戴します」


 ホタテ貝と野菜のマリネと、温かいパンが乗る。あまりにもうまいのですぐに平らげてしまう。

 次に、濃厚なコーンポタージュを純銀のスプーンで啜る。


「いかがですか、ストマーコさん?」

「美味しいです。こんなおいしいものは今まで食べたことがない」


 これは本心だった。


「そうでしょう、そうでしょう」


 バウホシュメルトは満足そうにそう言った。

 スープを口に流し込んでいると、飲み終わった頃に魚料理が現れる。

 それを平らげると、次は肉料理。

 またそれを平らげると、膨れてきた腹にデザートが差し出される。


「舶来の果物のケーキでございます。どうぞお召し上がりを」


 スーザンが色とりどりの果物で彩られたその端を小さなフォークで切り取り、そのまま口に運ぶと、なんとも言えない多幸感を一身に感じた。やはり金を持っている人間は食い物も違う。

 この城は宝の山だ。

 少しくらい頂いてもバチは当たらないだろう。

 ケーキを食べ終わる頃に、最後に紅茶が現れる。

 ミルクと砂糖を入れ、ティースプーンでかき混ぜる。

 そしてそのティースプーンを、カップの影に隠し、そっと胸のポケットに忍ばせた。


「おいしいですね、このお茶」


 素知らぬ顔で、俺はこう言った。


「お気に召されたようで何よりです。さて、今日はお疲れのはずだ。先程ラルフに部屋を用意させましたので、お休みになるといい」

「では、お言葉に甘えて」


 俺は腹をさすりながら席を立つ。

 スーザンに案内され客室に入ると、スーザンはさっさと部屋を出る。

 豪華な装飾に彩られた埃ひとつない、高級ホテルのスイートルームのような豪華な部屋だ。

 浴室や便所はもちろん、丸いテーブルには何本か酒のボトルが置いてある。

 俺はデスクにあった万年筆をティースプーンを入れたポケットに忍ばせ、酒のボトル一本と、その隣にあったグラスを鞄に入れる。そのほか、クローゼットにあった毛皮のバスローブとウールのタオルも頂いた。

 一通り部屋を漁り終わると、浴室で一息ついた。

 浴室にあったシャンプーの瓶は未開封だったので、これも頂いた。

 もう一つ、これぞ骨董品といったような物も頂きたいが、あまり大きなものではバレる可能性がある。

 だがこの部屋には条件を満たすものはない。

 俺は諦めて寝ることにした。

 暖かい布団を被り、枕に頭を乗せ目を閉じると、驚くほど早く、俺は眠気に吸い込まれていった。


 そして朝。俺はすっきりと目を覚ました。それを見計らったかのように、ドアをノックする音が聞こえる。


「おはようございます、ストマーコ様。そろそろお目覚めになることと思っておりました」

「おはようございます、スーザンさん」

「朝食の用意が調っておりますので、ご準備ができましたらダイニングにお越しください」

「ええ、分かりました」


 スーザンはそれだけ言って部屋を去った。

 俺はベッドを出て顔を洗おうと浴室に向かう。

 その時、かすかな違和感を腹部に感じた。

 昨日は今までにないほど豪勢なものを食べた。もしかしたら腹が驚いているのかもしれない。


「念のため、便所に行っておこう」


 便座に腰掛けると、その瞬間、俺は激しい腹痛に襲われた。


「ぐぅぅっ……!」


 俺は思わず苦悶の声を上げる。

 少しでも痛みから解放されようといきむが、空気すら出ない。


「なんだ、これ……?」


 今俺が感じているのは、腹を下した時と同じ痛みだ。

 腹はぐるぐると音を立てているのに、いきんでもいきんでも、腹からは何も出てこようとしない。

 俺はそのとき、かつて婆さまから聞いた「腹痛殿下」の話を思い出した。


「あんなのはただのおとぎ話だ」


 きっと昨日の料理に何かが混ざっていたのだ。

 料理をしたのはスーザンのはずだ。きっと俺が気に入らないから、何か良くないものを料理に仕込んだに違いない。

 少し呼吸を整えれば、痛みも和らいですんなりと出るはずだ。

 しかし、息を吸えば吸うほど、吐けば吐くほど痛みは増した。

 俺は前かがみになり、ほとんど二つ折りのような体勢になる。

 そのうちに座っていられなくなり、俺は転がるように倒れた。


「ストマーコ様? ご準備はいかがでしょうか?」


 スーザンが部屋の外にいるらしい。

 この際誰でもいい、助けが必要だ。尻を丸出しにして倒れている情けない格好も、今はどうでもよかった。


「は、腹が痛いんです。申し訳ありませんが、薬を頂けませんか」

「少々お待ちを。旦那様を呼んでまいります」


 程なくして、スーザンはバウホシュメルトを連れてきた。


「バ、バウホシュメルトさん……」

「残念ですよ、ストマーコさん」

「へ?」

「あなたが薄汚いこそ泥だとは」

「な、何を……」


 バウホシュメルトは俺のシャツの胸ポケットからティースプーンと万年筆を見つける。次に鞄を漁り、俺が頂いた品々を床に並べる。


「まったく。ここまでとは思いませんでした」


 バウホシュメルトは呆れたように嘆息しながら、倒れ伏した俺の前に立つ。

 俺が許しを乞おうとして開いた口に、靴墨がしっかりと塗られた革靴を突っ込む。


「あなたも私の厚意と信頼を裏切った訳だ」


 そう言って俺の顔を蹴りつけた。

 だが顔の痛みよりも、腹の痛みの方がずっと苦しい。このままでは本当に死んでしまう。


「お、お許しください。薬を、薬をください」

「薬などでは治りませんよ」

「へ?」

「あなたの腹の痛みは私の呪いなのです」

「の、呪い……?」

「私のものを奪おうとした者には、痛みと苦しみを味わってもらう。それがこの城のルールです」

「助けてください、どうか」

「その痛みは、あなたもご経験がおありでしょうが、出せば治まります。ただし出すには私の許しが必要です。あなたが私に全てを捧げると誓うのであれば、許して差し上げても構いません」

「誓う、誓います。だから許してください」

「分かりました。スーザン、ストマーコさんを起こして便座に腰掛けさせてあげなさい」

「はい、旦那様」


 俺はスーザンの補助で便座に腰掛ける。


「では、失礼」


 それを見届けたバウホシュメルトは部屋を立ち去る。スーザンもまた、バウホシュメルトに着いていく。

 その瞬間、何かが決壊したように、腹の中に詰まっていたものが音を立てて尻から出ていく。途方もない開放感が俺を満たす。


「た、助かった……」


 そうやって安心したのもつかの間、俺の腹から然るべきものが出尽くしたあとも、俺の尻からは何かが出続けている。

 恐る恐る便座の中を覗くと、それは美しい金色の光沢を放っていた。


「な、なんだよ、これ」


 俺の尻から黄金が出ていくにつれて、俺の身体はしわしわに萎んでいく。


「と、止まれ。止まってくれ!」


 急速に喉が渇き、体が老人のように痩せ細る。


「や、やだ。俺は嫌だ。俺は……」


 体がどんどん縮んでいく。俺の体の体積が、便座よりも小さくなり、体ごと便器に嵌ってしまう。その間にも、俺の体は黄金となって尻から出ていく。


「あ、ああ、あ、あ、ああ、あ、あ」


 嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……


 ぽちゃん。


 〜〜


「ラルフ。新しい収穫だ。十分に洗って街へ持って行ってくれ」


「かしこまりました、だんなさま」


 おれはバウホシュメルトさまにつかえて、もう10ねんになる。

 バウホシュメルトさまが、やしきのなかからもってくる、きんいろのかたまりについた、ちゃいろいよごれをおとして、まちでかねにかえてくるのが、おれのしごとだ。


「ねえ、だんなさま。このかたまりは、いつもどうやってつくっているのですか?」

「なあに、私とスーザンの魔法だよ。今日はお前も城の中で食事しよう」

「ほんとうですか!」


 おれはうれしくなって、はやくしごとをおわらせたくて、まっしろなゆきで、きんのかたまりをあらいはじめた。

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