第4話-駅のホームで
「やっと駅に着いた…」
あれからしばらく歩いて、2人は家からの最寄り駅に到着した。
真樹は寝ているりんかを起こす。
「おーい、りんかー、起きろ〜、りんか〜」
「ん〜…ふぁ〜…おひゃよう…ましゃき…」
りんかの呂律が回っておらず、まだ寝ぼけているようだ。
「駅着いたぞ、降りろー」
「え〜やりゃ〜…まだ寝てたゃい〜…」
なかなか目が覚めないりんか、そんな彼女を見て真樹は考える。
(これ、どうすりゃいいんだよ…)
とりあえず頑張って手を伸ばし、りんかのカバンから定期券を取り出し、自分の定期券とりんかの定期券も改札口にかざして、駅の改札を通る。
改札を通ってホームの左側にある、小さな椅子に座らせる。
「おーい、起きろー、りんかー」
「やぁだ…もっと寝るぅ…むにゃむにゃ…」
全然起きる気配がない。内心少しイラッとしていた真樹は少し強引な方法をとった。
「りんか、起きないとこのままキスするぞ」
あとほんの少しだけ、1cmでも近づいたら唇が当たる、そんな距離で真樹はりんかに囁いた。
「ふぇ…?!」
そっと、耳からわずか1cmの唇を遠ざけると、目の前には目をばっちりと覚まし、顔を真っ赤にしたりんかがこちらを見ていた。
「おはようりんか、やっと目が覚めたか…」
「ま、まま、真樹、お、おおはようございます」
(なんで敬語なんだよ)
そんなやり取りをしていると、駅のアナウンスが鳴った。
『まもなく、1番線に、電車が到着致します。危ないですので、黄色い点字ブロックの内側で、お待ちください』
「お、電車、来たみたいだな、りんか」
「う、うん…」
りんかは下を向いている。恐らく照れているのだろう。しかし突然、りんかは俺の名前を呼んだ。
「ねぇ、真樹」
「ん、どうしt…」
「ちゅ…」
次の瞬間、俺のほっぺに柔らかくて瑞々しく、ひんやりとした唇が当たっていた。
「っ…!!」
突然の出来事に言葉が詰まった。
「えへへ、仕返し…だよ?♡」
りんかは、少し顔が赤くなっており、照れている顔でそう言った。
(っ…!! この小悪魔め…!)
しばらくすると、電車が到着し、扉が開き、2人は電車に乗った。
--りんかside
「…んか〜、起きろ〜、りんか〜」
(真樹が呼んでる…起きないと…)
「ん〜…ふぁ〜…おひゃよう…ましゃき…」
起きようと必死に目を開けようとするが、まだ眠いせいなのか、なかなか起きる事が出来ない。
「駅着いたぞ〜、起きろ〜」
(んむぅ…まだ起きなくないよぅ…)
「え〜やりゃ〜…まだ寝てたゃい〜…」
正直まだ寝ていたかった。すると真樹は自分のカバンから定期券を取り出して、おんぶをしてもらった状態で改札を通った。
(ん…まだおんぶしてくれてる…嬉しいなぁ…)
すると、真樹は駅のホームにある椅子に私を座らせてくれた。
(んぅ…むにゃむにゃ…)
「おーい、起きろー、りんかー」
(もう少しだけ…寝るぅ…すぅ…すぅ…)
意識が遠のいていく。と、その時、真樹が耳元でこんな事を囁いた。
「りんか、起きないとこのままキスするぞ」
(真樹が…私に…キス…?)
「ふぇ?!」
突然の真樹の言葉に、顔を真っ赤に染める。
(ふ…不意打ち喰らった…あぅ...)
「おはようりんか、やっと目が覚めたか…」
「ま、まま、真樹、お、おおはようございます!」
焦ってまともな返事が出来ず、敬語になってしまった。
(むぅ…真樹、全然平気ですよって顔してる…)
私は焦って動揺してるのに、真樹には全く赤面しておらず、平然と立っていた。
しばらくすると、電車のアナウンスが鳴った。
「お、電車、来たみたいだな、りんか」
「う、うん…」
(よし、仕返ししちゃおっと)
そう決意すると、早速りんかは行動に移した。
「ねぇ、真樹」
「ん、どうしt…」
「ちゅ…」
りんかは背伸びをして、真樹のほっぺに唇を落とした。
「っ…!!」
「えへへ、仕返し…だよ?♡」
自分のした事の羞恥と達成感が襲ってくる。
(んぁ…やっちゃった…)
でも、どうしてだろう、もう少しだけ、あと少しだけ、真樹のほっぺにキスしていたかった。
出来ればほっぺにではなく、唇にキスをしたかった。
(今度は…真樹の唇に…キスしたいなぁ…)
-あとがき
どうも!シシトウです!更新しました!
4話、どうでしたか?いやぁ、ニヤニヤが止まりませんねぇ…。というか、りんかちゃん寝ぼけすぎですねw
良ければいいね、応援、感想コメント、星3つお願いします!それでは!
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