第23話

次の日もまた言ってきた。

「家を出たい。無理。」


またほざいてやがる。

「だからー無理だって。」


また次の日もその次の日も言ってきた。

あー!しつこい!!


そうしていると、また言ってきやがった。


どうせ家を出たいしか言わないだろう。

と思っていたけれども、


「とにかくこの家を出たい。俺はもう無理だ。仕事も行きたくない。何もしたくない。」


続けて

「俺が死んだら金入らないからね。分かってる??」


その言葉を聞いて私ははっとした。

金が入らないのは無理!

それなら家を出させてやるか。


そうしたら私も働くのか?

働かざるを得ない。

住む家はあるけど、自分の小遣い10万近くが減るのは嫌だ。


10万というと旦那が高給取りのようだが、この当時私は、自分へのご褒美と称して沢山買っていた。

奴の給与は私の物だからだ。


だから奴の給与が入らなくなるのはもっとまずい。


そう思い私は

「出てもいいよ。でも引越代はあげない。」

とだけ言った。


そうすると奴は

「じゃあ出るから。」

と言って水を得た魚のように動き出した。 


私は

「まずいな。」

と思い、次の手を考え始めた。

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