第22話

「この家だと落ち着かない」

と言われ、多少なりとも衝撃を受けた。


この世は全て私の思う通りに動いていると思っていたし、今までもそれが当然だったからだ。


そうしていると相手が言ってきた。

「離婚が無理なら家を出させて。」


普段なら「無理」の一点張りだが、流石に昨日の言葉を聞いた後ではできないと思い、理由を聞いた。


「この家だと落ち着かないし、俺は何もかも嫌になってる。とにかく出て落ち着きたい。」


「ふーん。」

それだけで終わりにさせた。

家を出られたら、家を出たことが周りに知られたら何と言われることか。。

だから私は出させなかった。


そうすると又別の日言ってきた。

「家を出たい。」

まただ。うざい。

「お金は?迷惑かけないでくれる?」

と返すと

「俺の稼いだ金だ。」

と言われた。

でもこっちは子供いるし金がなくなったら困る。

この時まだ私は働きたくないし働いていなかった。

だから「だから、無理!」と突っぱねてやった。


そしてこの時は絶対に家を出させない自信もあった。ただあったけれども、結局は出ていくことになるとは、この時は思ってもいなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る