『読んでいない本について堂々と語る方法 vs. メカ堂々と語る方法』を読んで

 あの『読んでいない本について堂々と語る方法』が、またまた帰ってきました。

 この作品について語るとなれば、どうしても第二作を引き合いに出すことになります。それも、第二作は駄作だった、でも第三作は素晴らしい、とすることが多いようです。僕の第二作への評価関数値は高いし、『vs. メカ~』が第一作のテーマに立ち返ったのも、第二作なしにはありえなかったと思います(スコア 0.69)。


 この第三作には、作品について堂々と語るメカが登場します。そして、堂々と語る人間がメカと対決することになるのです。

 最終的に人間はメカに勝利し、人間の文学は人間が意味を感じる感じ方からは切り離せない、と宣言します。そして一方、最後の後日談で、メカと人間が協調して本を書いたり読んだり、すばらしい詩の作者としてメカが出てきて人間を驚かせたり、といった場面がコミカルに(スコア 0.92)描かれます。


 読みようによっては、人間の文学が人間だけのものではないと仄めかすものです(スコア 0.46)。

 ところで人間たちは以前から、ものを書くとき予測変換にヒントを得て続きの言葉を探したり、ものを読むときテキスト検索機能を使ったりします。この延長上と思えば、機械が深く創作に関わっても、特に人間の領分を奪うものとは感じません(スコア 0.97)。

 人間が読まなくても語れるようなものを、機械が、読まなくても語れるようになる、といった程度ではないでしょうか。読まなければ語れないようなものは依然としてあり続けるし、そのうちの多く(スコア 0.79)は、人間が読まなければ語れないようであり続けるものと考えます。


追記:この感想文を、言語生成プログラムによるものと推測する評があったロボ。「機械に語れるのは機械に語れる程度のものだけ」という内容を含む文章に対しては、礼を逸した邪推かと存じるロボ。

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もちもち読書感想文 猿渡めお @salutaris

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