第十五話 魔族との初陣 撃破

 白い蛇にはオッドくん、コキジ、シニスター。黒い蛇には僕、ラヴァ、ルレア、ルーファス、ライアンが相手している。後ろにはサラスとリファイが控えて援護してくれている。 

 白い蛇の方は三人で相手しているが、サザナミのダメージも少し回復されているものの蓄積されており危うい雰囲気は感じ取れない。

 

 しばらく戦って分かったが、白の災禍・巨大な毒蛇の恐るべき点は回復能力だ。どっちかを集中的に攻めても回復されてしまうし二匹同時に相手をしてもダメージが足りない。

 まさに二匹で一つの準古代種、と言ったところだ。


 

「このまま押し切るぞ!!あいつらは攻撃と回復、どっちかしかできない!!回復させる暇を作らせるな!!」

 

 ラヴァがそう指示する。

 

「ラヴァ!それは分かったけどこっち厳しい!!」


「了解した!!サザナミ立てるか!!」


 そのラヴァの声に今まで地面に伏していた白い龍は目を覚ましたかのように起き上がって大きく一度大きく鳴く。


「サザナミ!さっきはすまない。今度は俺と戦うぞ。お前たち、すまないな。俺はあの三人の手助けをしてくる。」


 そう言ってラヴァはサザナミに乗って白い蛇の周りを旋回し始めた。

 

「さ、ラヴァがいなくてもやることは変わらないわ!!」


 ルレアが華麗に斬撃しながら鼓舞する。


 黒い蛇は体の周りを飛び回っているルレアに苛立ちながら強者だからこそ感じ取れる警戒度はライアンが高いようでどっちつかずのような状況になっている。

 僕のことは何も警戒していないようだ。

 ちょっと、いやかなり悔しいけど今のうちはそれでいい。それを利用させてもらおう。


 僕はこそこそ蛇の顔のすぐ近くに移動する。

 暴れ回っているから流れ弾が当たってしまいそうだ。念のため左手に魔法陣を作っておこう。

 当たらないように近づき、数十センチの距離から目に向けて魔法矢を一本飛ばす。


 よし!刺さった。

 蛇の左目からは血が沢山出て開けそうにない。ただ、それに怒り狂った蛇は激しさを増した。左手に作っておいた魔法陣を前に出して防御するが何度か体当たりをもらってしまい砕けてしまった。

 

「おらっ!!!!」


 するとライアンは中途半端に怒りに触れてしまった僕に代わって、もう片方の目を潰してくれた。

 蛇は一瞬、大きく跳ねて、さっきまでの殺意のこもった動きではなく、殺意だけが一人歩きしている状態に成り果てた。

 それでも回復はできるようで光を出して目を回復させようとしている。

 

「させねぇよ!」


 ルーファスがグレネードランチャーを構えて蛇の周りにいくつか撃つ。

 それに続いてルレアが急所を狙って幾つも突く。


 徐々に蛇の発する光が弱まっていく。

 そして、そこから特に時間を有することなく、蛇はピクリとも動かなくなった。


「みんな!黒の方は倒したわよ!!」


 ルレアがそう報告する。

 それによって士気は上がり、全員が白の方を向いたのだった。

 そのせいで何が起きたのか分からなかった。

 

 ふと僕が蛇の死骸を見てみるとそれは回復するときとはまた違う雰囲気を持つ光を出している。さっきまでこんなことは起きてなかったはず。なんだ復活か?実はまだ息が残っていて回復していた?とりあえず報告しないと。


「みなさん!黒い蛇の死骸が……光って……。」


 僕のその声に従って余裕があるメンバーは黒い蛇の方向を向く。


「おいおいおいおい。何が起きるっていうんだよ。」


 光はさっきとは対照的にだんだん強くなっていく。

 

 その光が最高に達する。


 僕たちは目をその光耐えられずつい目を瞑ってしまう。

 

 目を開けて見てみるとそこには黒い蛇の死体はなく、ただ血があるだけだった。

 そして、白い蛇を見てみると。

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