クラス替え

 クリスマスが過ぎ、年も明け、高校二年生が終わろうとしていた。

「いやあ~このクラスももうすぐ終わりかあ」

 いつものテンションで悠馬が話しかけてきた。

「そうだね。来年もいい人と同じクラスだといいな」

「え、もしかして俺?」

「なんかそういう言い方されると、うんって言いずらいな………」

「えー。でもさ、俺ら二年連続同じクラスじゃん。さすがに来年は違うクラスでしょー、やだよ~蒼~」

「そうかもね。でも先生たちが気を遣って同じクラスにしてくれるかもよ?」

「そうだといいなあ、、」


 悠馬とクラスが離れるのは本当につらい。俺には悠馬以外に仲いいやつがほとんどない。

 二年間同じクラスというと凛の事も思い浮かぶ。

 クリスマス以降凛とは会話をしていない。ネックレスがどうなったか正直気になっていたが、日が経つにつれ考えることも少なくなった。気持ちに整理がついてきているのかもしれない。

 三年生になったら新たな気持ちで前に進める気がした。


* * *

 ついにクラス替えの日がやってきた。

 掲示板の前にたくさんの人が集まっている。クラスをチェックするには相当時間がかかりそうだ………

 そう思っていると悠馬からメッセージがきた。

〈やっぱクラス離れちゃったよ(´;ω;`)〉

 メッセージに続けて掲示板の写真が送られていた。これはありがたい。

 見ると本当に悠馬とクラスが離れていた。まあ想定内だが………。

 同じクラスに仲良くできそうな人はいないか探してみる、と近藤たちの名前を見つけた。これで少しは安心だな。

 そして驚くことに凛の名前もあった。これはいいことなのか悪いことなのか………。


 教室に入ると近藤たちが話しかけてくれた。

「今年もよろしくな」

「こちらこそよろしく。俺悠馬とクラス離れちゃったから1人なんだよね………」

「あ、そっか。確かに悠馬の名前見なかったわ。なら一緒にいようよ」

「ありがとう」

 近藤たちが優しくて本当に良かったと思った。


 その後自己紹介や係決めなどをして、午前中で学校が終わった。

 クラスを出ると悠馬が待っていた。

「わーん蒼~!寂しかったよ~」

「ほんとにクラス離れちゃったな、、」

「最悪だよ、でも今年も仲良くしてよ!」

「こちらこそ」


 それから悠馬は授業が終わるといつも俺のクラスの前で待っていてくれた。だから、クラスが離れてしまったものの、一緒に帰ったり自習をしたりと悠馬とは仲良くできた。本当に嬉しい。

 最初は悠馬とクラスが離れてしまいどうなるかと思っていたが、近藤たちや悠馬が優さのおかげで充実した高校三年生を送ることができている。

 そして同時に、凛の事も気にならなくなっていた。このまま忘れて、前に進めると思っていた………。


 




 

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