元カノ
高2の冬。俺、
「え、別れた?」
「うん」
「あんなに仲良かったのに」
そう言って俺の唯一の親友、
「え、昨日も一緒に帰ってなかったか?」
「そう、別れ際に突然いわれてさ………」
「そっか………」
悠馬はこれ以上何も聞いてこなかった。俺の事を気遣ってくれたのだろう。
「うわ、先生きた。」
「ほんとだ、じゃあまた後で」
* * *
「⏤⏤⏤⏤⏤であるからここはX=2となり……」
全然授業が頭に入ってこない。凛は今何を考えているのだろうか………。
凛とは同じクラスだ。今日ちゃんと話をしようと思っていたが、凛は学校に来ていない。凛は体調管理が完璧だ。きっと俺と会うのが気まずいから休んだのだろう。そう考えているうちに、もう関わらないほうがいいという考えが頭によぎるようになった。
凛は本当に可愛い、いや、美しい。容姿はもちろん完璧で、頭がよく、運動もそこそこ。他の同級生とはどこか違う雰囲気をまとっていた。学校の誰もが知っているような存在で、男子からはとてもモテた。
だから、告白された時は本当に驚いた。なんで俺なのか、という疑問が浮かんだが、俺は高1の頃から凛が好きだったため即OKした。
俺たちは『理想のカップル』と言われるようになった。周りに認められると思っていなかったため、とても嬉しかった。
凛とは一緒にお昼をとったり、少し電話をしたり、時にはデートに行ったりした。俺たちのペースで付き合えていたと思うし、俺は本当に幸せだった。たまに喧嘩もしたが、すぐに仲直りをしていたし、別れる要因になるようなことはなかったと思う。
なんで振られてしまったのだろう。凛は何を考えているのだろうか………。
ああ、また同じことを考えてしまっている。答えは見つからないのに………。
「本当に大好きなのに………」
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