第2話 同じメーカーのエンブレム

 私は、仕事でたまに社用車を運転して、取引先に向かうことがあります。


 そんな時は決まって渋滞にはまる。


 信号に捕まった時なんて、「14時から約束があるのに一向に進まない!」と焦ってしまう時もある。


 その日も社用車で、取引先に向かっていた。


 10時から今度開始するプロジェクト「日本の熟年夫婦集まれ!ドキッ!あの頃の私たちは青かった……今は、真っ赤だ…きゃっ!…」というキャンペーンの打ち合わせがあり、キャンペーンをするにあたりスポンサーから30億という大金が動いていることもあり、打ち合わせには遅れるわけにはいかなかった。


 だが、そんな時に限って交差点での事故に遭遇してしまう。


 ナビでも、「2キロの渋滞」と表示されていた。


 思わず、「今捕まってるからわかるわぁ!」とナビに突っ込んでしまう。


 渋滞に捕まること1時間。


 時刻は午前9時くらいになっていた。


 一向に進まない渋滞……取引先までは普通に走ったら、後20分で着くのに……気持ちが焦ってしまう。


 そんな時に、一台の車が脇道から私の前に入ってくる。


 最初は、くそ!間に入られてしまった!とイライラしてしまったが、その車も営業車のようで、車の中でハンドルを叩いていた。しかも、同じメーカーのエンブレムがついた車に乗っていた。


 私は、「私と一緒の車に乗り、私と同じように焦り怒っている。おお!同志だ!」と嬉しくなった。


 そこから、なぜか嬉しくなった私は、「電車に揺られる男たち~♪ふ~ん🎶ガッタンゴットン!」と車の中で大熱唱しました。


 なお、取引先には15分前になんとかつきました……

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おお!同志! @ss9

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