第2話恋人は作りたいけど…

通学鞄を片手に提げ、教室を出て廊下を歩く俺と衣縞。

「藤木くんは……もっと大きい子が好み、だったりする?」

隣を歩く彼女が、自身の胸にそっと手を添えて聞いてきた。

「えっ……いやーそういうことは〜……あっそういえばさ、隣街にオシャレなカフェができたらしくてさ、都合の良い日に行かない?」

「はぐらさなくて良いんだよ、藤木くん……そうだね、行ってみたい」

「……あぁ。恋愛、感情を抱かない相手に……そのぅ、ああされたいってはならない、でしょ……衣縞さん」

「す、好き……だよ、藤木くんのこと」

「それは友人として、でしょ。分かるよ」

「わ、分かって、ないよっ藤木くんは……藤木くんと……るのはっ、一緒にいるのが楽しい、からだよ。他人と距離を置いてるって感じる藤木くんが、私のことを気に掛けてるのが伝わるように接してくれる。他の……とは、他人を思いやれてないけど、藤木くんは違う。藤木くんになら、委ねても良いって思えるの。そんな顔しないで、藤木くん。好きだよ、藤木くんのこと」

「……ごめん。ありがとう、衣縞さん」


彼女はこう言うが、だけど……やっぱり。


やっぱり、気が引ける。


俺には……

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