第53話大賢者と迫りくる危機
「という訳なのだけどゼロ君、どうした物かしら」
「冗談じゃないですよ学園長!俺のハーレム計画はどうなるんですか!」
「今なら十分ハーレムじゃない…大陸統一の方は諦めたら?」
「いや、今更辞めても我々は潰されるだろうけどね」
口論に割って入って来たのは内政家のシオンだった。
「現に一番厄介なアルカディア帝国がバビロニアに宣戦布告してきたよ」
「え、賢者達対俺の戦いじゃないのか!?」
「後ろに彼らがいる事は確かだけど、バビロニアという国自体を滅ぼしたいみたいだね」
「ごめんなさいゼロ君、私の力が及ばないばっかりに…」
「学園長のせいじゃないですよ。俺の行動が目立ち過ぎたんです」
「それを命じたのは私よ。だから私にも責任がある」
「シルヴィア会長…」
「恋人であるゼロ君に死なれたら悲しむ娘が大勢いるだろうしね。例えばそこのドアの向こうの3人とか」
シルヴィア会長が無言で魔術を放つと勝手にドアが開いた。
そこにはメアと令とアリスの3人がいた。
「旦那様が死んじゃうなんて嫌よ!なんとかならないの!?」
「婿殿は私が守ってやる!…が今回は規模がでかすぎるな」
「どんな人が来てもジャック君は私が守るよ。その為なら誰だって!」
みんな…そこまで俺の事を…
しかしこの台詞も好感度ボードで操作した感情の結果発せられた物だ。
そう考えるとなんか虚しくなってきた。
しかし俺は止まる訳にはいかない。
この先にハーレム王の道が続く限り俺は進むぞ。
「シオン、どうすればいい」
「私の専門は内政だから外交や戦争はよく分からない。ただ新魔王という最強のMPタンクを手に入れた以上君の負けるヴィジョンが見えない」
「なるほど!じゃあマーリンにさっそく…」
「ただ彼女を使ったら大陸中の君への信頼は地に落ちるだろうね」
「くそっ!どうにもならないのか!?」
「いえ、ただ一つだけ切り抜ける方法があるわ」
そう提案したのはシルヴィア会長だった。
「この大陸にはある掟があってね。国の代表者達同士を戦わせ大陸一の戦士や魔術師を決める大会があるのよ。優勝賞品は何でも願い事を叶えてくれるらしいわ」
「じゃあこの危機的状況も?」
「ええ、なんとかしてくれるはず」
シルヴィア会長が真剣な眼差しで発言を続ける。
「その大会は死者を出したら失格で、場外勝利しか認められていないの。まあ他にも回復アイテムや回復魔術の使用禁止とかルールがあるけどね」
「死者はでないのか…それは嬉しい大会だな」
「問題はこの大会の開催を大司祭様が許してくれるかどうかだけど…」
「戦争で大量に死者が出るよりマシだろ。許してくれるさ」
俺の目論見通り大陸を宗教的に統一している大司祭様は掟の大会を許可してくれた。
俺達の生き残りを賭けた戦いが今始まる。
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