学園祭編
第37話大賢者と学園祭
「という訳でルミナス学園で学園祭をやろうと思う」
「ガクエンサイってなーに?ジャック君」
「祭りという事は神輿でも担ぐのか?婿殿?」
どうやらこの世界には学園祭だの文化祭だのといった物はないらしい。
「違う違う。学園祭っていうのはクラス毎で催し物を出す祭りの事だよ」
「面白そうね、旦那様」
「はしゃぎすぎはダメだぞ。風紀委員が取り締まるからな婿殿」
「えへへ~、お祭りかぁ、一緒に回ろうジャック君」
お決まりの返事が返って来る。
まあみんな賛成してくれたようで何よりだ。
じゃあ催しは何にしようかなぁと考えていたその時である。
「そりゃあメイド喫茶で決まりでしょ、ヒロ」
俺の事をヒロと呼ぶのはこの世界で一人しかいない。
転生前の実の姉である詠美子だ。
「なんでここにいるんだよ!」
「いやあ、ここの学園長と飲み仲間になっちゃってさぁ、そのお誘いで」
イリス学園長も人が良すぎるだろ…
と俺が考えていると間髪いれず姉貴が話を進めて来る。
「メイド喫茶っていうのはメイドの恰好をしてやる喫茶店の事でね?あ、メイドとか喫茶店とかはここの人達分かる?」
「メイドというとこちらの国の小間使いの事ですか?姉上」
「使用人の恰好ですよ、お姉様」
「確かに可愛らしい服だと思うけど、幾らお姉さんの提案でもちょっと…」
皆難色を示している。
この時代のメイドの扱いを考えれば誰だってそう思う。
特にメア達は身分の高い貴族の出なのだ。
身近な存在故にそういう所は敏感―
「あーあー、残念。メイド服はヒロの大好きな服なのになぁ」
「「「やらせて頂きます!!!」」」
3人ハモって了承する。
いや、確かにメイド服は好きだけどさ、それ程熱心て訳じゃあ…
「メイド服大好きだもんねぇ、ヒロ君」
「え、あ、はい」
姉貴に笑顔で睨まれた俺はそう答えるしかなかった。
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