聖女に婚約者を奪われ追い出され……という出だしは流行りの設定だが、主人公が行き着いた先は博物館。そこでは不思議なことが起こり、巻き込まれた主人公は戸惑いながら、『管理人』となることを決めるのだった。
夜の博物館という心ときめくシチュエーションで起こるのは、正統派ファンタジーな出会いと試練。まっすぐな性格の主人公と、個性豊かな妖精たちとの関わりようは、読みやすい文章も相まって、かつて児童書を読んだときのようなワクワクを感じさせてくれる。
聖女との対決も楽しみながら、それ以上に、妖精たちとの交流の深まりが楽しみな作品。