barに行く

俺は、スマホを見ながら行く。


駅に着いて、電車に乗った。


二駅違ったんだな。


bar Venus《ヴィーナス》についた。


もう、店は開いていた。


「ごめん、遅くなった」


「命、スカートかわいいな。」


「でしょ?タイトなの。」


命は、ニコニコしてる。


「シャツも、命は似合うな」


「まぁ、医者だから。ハハハ」


命は、笑ってる。


「あのさ、ちょっとだけいい?」


俺は、命を階段に連れていった。


「どうしたの?」


「夕陽と話した」


「なんて?」


俺は、電話の話をした。


「相変わらず、酷いね。朝陽にたいして」


「それが、夕陽だから。行こうか」


「うん」


俺は、命とbarに行った。


カランカラン


「いらっしゃいませ」


桜賀さんと、その隣に可愛らしい男の子が二人いた。


「朝陽君、命ちゃん。いらっしゃい」


桜賀さんは、おしぼりを渡してくれた。


「お腹は、すいてる?」


「はい。すいてます」


「じゃあ、何か作るよ」


「マスター、早瀬さんもパスタよろしく」


「はいはい」


そう言って桜賀さんは、裏に料理を作りに行った。


「はい、お待たせ。あの日、味見してくれたパスタ」


そう言って、桜賀さんはパスタを出してくれた。


「いただきます」


口にいれた瞬間。


懐かしさに涙が流れた。


「朝陽、大丈夫?」


命が、ハンカチを差し出した。


「ごめん。懐かしくて」


「これ、何種類も味見したよね」


「うん、ゴルゴンゾーラのクリームパスタ」


「一番最初の味見した時のだよね」


「うん」


嬉しくて、泣けてきた。


桜賀さん、これまだ、メニューにしてくれてるんだね。


やっぱり、俺はあなたが好きだよ



パスタを食べ終った。


俺と命は、お酒を飲む。


「命、飲み過ぎ」


「いいでしょ」


「危ない」


「あっちのソファーに座らせてあげて」


桜賀さんに言われて、ソファー席に命を座らせた。


「何か、あった?」


「うん」


「何があったの?」


「これ、お水」


「ありがとうございます」


桜賀さんは、お水をくれて戻っていった。


「沙羅と寝た」


「いつ?」


「昨日」


「また、しんさんだと思われたの?」


「違う」


「じゃあ、何?」


「気持ちがバレてた」


「命の?」


「うん。そのうえで離さないって言われた」


「命、それって」


「朝陽、苦しいよ。辛いよ。でも、好きなんだよ」


命は、俺に抱きついてきた。


「大丈夫か?」


「わからない。今日もまたそうなったらどうしよう」


命は、俺にしがみついてる。


「帰りたくないなら、俺の家に」


「帰るよ。神が暫く帰れないから。今、何時?」


「12時」


「帰らなきゃ」


「待って、タクシー呼んでもらうから」


桜賀さんが来て、タクシーを頼んだ。


「タクシー来たよ」


「はい、命帰ろう」


古味こみ君、後お願い」


「はい」


「俺も、手伝うから」


そう言って、桜賀さんも命を支えてくれる。


「ありがとうございます」


俺と、桜賀さんは命を家に連れて行った。


「インターホン、どっち?」


「右、右」


ピンポーン


「はい」


「命です」


「はい」


自動で、門が開いた。


「危ない」


フラつく命を支える。


「鍵、開いてるから」


そう言って、開けた。


「二階」


そう言われて、階段を上がった。


「命ちゃん。大丈夫?」


「すみません」


「五十嵐先輩、ありがとうございました」


「いえ、飲ませすぎてすみません」


「送っていただきありがとうございます」


「バイバイ」


命が手をふってる。


「またな、失礼しました」


俺と、桜賀さんは命の家をでた。


命を渡さないって顔をしていたな。


すぐに、笑ってたけど…。


ゾクッとした。


命の家の門を出たら、フラっとしてしまった。

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