第40話 感想返し その3

(第39話の続き)


 さいごに、指摘その3に関する藤光の感想返しです。


③ 推敲してないでしょ。


 フィンディルさんは、その感想のなかで『藤光さんには「そのとき読者に与えている情報だけで文を書く」癖があるのではないか』と書いていますが、これがどういうことかというと、


>そのときに読者に与えている情報だけで文章を書いてしまい、その後に与える情報との整合性への意識が不足している。


>序盤の文章は、終盤で読み返してもおかしくないようにしましょう


ということです。


 フィンディルさんはこれを「藤光さんの執筆上の癖ではないですか?」とオブラートに包んだ表現にしてくれていますが、その意図するところは『なめんなコラ。推敲に手ェ抜いてんじゃねーよ』ということだと思うんです(意訳しました)。じつは、そのとおりでして(汗)。ただ、手を抜いているという意識はありませんでした。「このくらいでいいだろう」とは思っていましたけどね。


 どういうことかというと、「いないくなった妻とわたしと息子」には、普通に読んでいても「アレ? さっき書いていたことと矛盾するような??」という物語の前後で相矛盾するような表現が、二箇所くらいあるんです。でも、これでも少なくした方なんです。「フィンディルの感想」で読んでもらうに当たって読み返し、矛盾がひどいところは修正したのですから。


 わたしは小説を書きあげた後、ほとんど見直しません。プロットらしいプロットはなく、設定も書きながら考えるわたしの執筆スタイルだと、物語の前後でキャラや設定に矛盾が出てくることはしょっちゅうです。しかも、見直し作業に熱心でないため、公開作品に矛盾が残っていることがよくある。


 それでも、カクヨムの読者さんたちは優しいので――。


「おもしろかったです」


とか


「上手ですね」


とかコメントしてくれるので、わたしはすっかりそのことに甘え切ってしまい、作品中のバグ取り(推敲)をいい加減に済ませてしまうのが習い性になってしまっていたと、今更ながら気づかされました。いや、ずっと前から気づいてはいたのですが、殊更気にしないようにしてきたことに気づいたのです。


 推敲を適当に済ませてしまう流れは、KAC(カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ)の頃にできがってしまったのでしょう。KACは2~3日で書き上げなければならず、推敲する時間はほとんどありませんでしたからね。「このくらいでいっか」と考えちゃうんですよね。でも、そんなことは言い訳です。作品のバグ取りは読者さんへのマナーでもありますし、文章を書く上での基本の「キ」です。ちゃんと思い出させてくれてありがとうございました。フィンディルさんの感想、すごくためになります。


 カクヨムに甘えてちゃダメだ。





 四日日間もかけて、フィンディルさんの感想に対する感想返しを書いてきましたが、「フィンディルの感想」をお願いしてみて、わたしにはいい影響しかなかったです。カクヨムはとてもよくできた小説投稿サイトですが、はじめた当初からひとつ大きな不満がありました。それは――読者さんからの指摘が少なく、同時に小説を書く上での気づきを得られることも少ない――ということ。


「フィンディルの感想」は、カクヨムの外のピクシブのサイトではありますが、上手に書けるようになりたい! と思っているWeb作家にたくさんの気づきを与えてくれるすばらしいコンテンツだと思いますよ~。そりゃもちろん行き届いていない箇所は指摘されますが、それも「とても気を遣っていただいた表現」で書いてもらえるので、ショックは小さくて済むと思います(笑)。


 ――もっと上手に書けるようになりたいな。


 そう考えているアナタ。

 一度、「フィンディルの感想」を試してみるのはどうでしょう。

 いままで考えもしなかった創作のヒントがもらえるかもしれませんよ。藤光みたいに。


 カクヨムのフィンディルさんのユーザーページへのリンクを貼っておきますね。これ→https://kakuyomu.jp/users/phindill


(感想への「感想返し」 おしまい)

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